「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

兵庫・川西市の加茂遺跡で近畿で最大級の柱穴見つかる

兵庫県川西市は3月16日、近畿で弥生時代有数の大規模集落として知られる加茂遺跡(所在地:兵庫県川西市)で巨大な柱を据えた可能性がある穴(弥生中期後半、約2,000年前)が1基見つかったと発表した。穴は1辺約2mの方形と大きく、深さ約1.6m。想定される柱の直径は0.8〜1m。
専門家によると、柱は池上曽根遺跡(所在地:大阪)、唐古・鍵遺跡(所在地:奈良)などと比較しても近畿で最大級という。ただ、これが住居跡とは断定できず、物見櫓(やぐら)などの高楼施設やトーテムポールのような太い1本柱の可能性もあるとしている。周辺の詳細調査が待たれる。

奈良・富雄丸山古墳で木棺から銅鏡3枚 三角縁神獣鏡か

奈良市教育委員会は3月13日、同市の富雄丸山古墳(4世紀後半、円墳)で、送り出し部の未盗掘の割竹形木棺から銅鏡3枚が重なって見つかったと発表した。鏡はひび割れがあるが保存状態はよく、うち1枚は大和政権が配布したとされる三角縁神獣鏡の可能性が高いという。
木棺は全長約5.6m、内部を3区画に分けていた。頭側の幅70cm、足側幅64cm。市教委は「木棺の構造、造り方が分かる一級史料」としている。同古墳からはすでに、国内最大の蛇行剣と盾形銅鏡が出土している。

宇宙飛行士・古川聡さんらISSから半年ぶり地球に帰還

国際宇宙スターション(ISS)に長期滞在し、様々な実験や研究に取り組んできた古川聡さんら4人の宇宙飛行士が、米国の民間宇宙船「クルードラゴン」で日本時間3月12日午後6時50分ごろ、米国南部フロリダ州の沖合に着水、半年ぶりに地球に帰還した。
古川さんは2023年8月から半年間にわたって、ISSで新しい薬の開発につながる高品質のタンパク質の結晶を作る実験や、将来の月や火星の探査を見据えた実験など様々な研究に取り組んできた。

大津市 明智光秀築いた坂本城跡を保存 国史跡指定めざす

大津市は昨秋から進められた同市下阪本3丁目の坂本城跡発掘調査で見つかった城の「三の丸」のものとみられる石垣や堀などについて、埋め戻さずに保存する方針を明らかにした。佐藤健司市長は引き続き周辺の調査を進め、国史跡の指定を目指すとしている。
同調査は約3,000㎡の住宅予定地で、これまでに約900㎡を調査した。現地からは石垣(長さ約30m、高さ約1m)や堀の跡、建物の礎石、井戸などの遺構が見つかり、織田信長配下の戦国武将、明智光秀が築いた坂本城の遺構と推定されている。国史跡に指定されれば市内16件目で、城関連では初となる。

伊藤若冲 3.3mの巻物状の大作を新たに発見 福田美術館

京都市の福田美術館(所在地:京都市右京区)によると、江戸時代中期に京都で活躍した絵師、伊藤若冲の珍しい、色鮮やかな巻物状の大作が新たに見つかった。今回見つかったのは「果蔬図巻(かそずかん)」と名付けられた作品は、全長3.3m余の大作。
若冲の作風である鮮やかな色彩でぶどうやりんごなどの果物と、かぼちゃやとうがんなどの野菜合わせて40種類が繊細に描かれている。若冲76歳の時の作品とみられる。この作品は今年10月に福田美術館で一般公開される予定。

高野山観光「入山税」検討 高野町 オーバーツーリズムで

世界遺産、高野山がある和歌山県高野町は3月5日までに、観光客から徴収する「入山税」などを想定した法定外税を、2028年度までに導入する方針を明らかにした。増え続けるインバウンドを中心とするオーバーツーリズム(観光公害)対策に活用する考えで、税額などは今後調整を進める。
同町によると、高野山を訪れる観光客は年間約150万人に上る。これに伴う駐車場やトイレの維持管理費は年間4,000万円を超えているが、これまでは町と高野山真言宗総本山金剛峯寺が負担してきた。

和歌山・金剛峯寺で春の訪れ告げる「高野の火まつり」

和歌山県の霊場・高野山の金剛峯寺の広場で3月3日、春の訪れを告げ、山開きの合図でもある恒例の「高野の火まつり」が行われた。広場には杉や檜(ひのき)で組まれた高さ1.7m、直径およそ3mの護摩壇が設けられた。
およそ1,200人の参拝客らが儀式を見守る中、山伏姿の僧侶らがほら貝を吹き鳴らし、弓で矢を四方に放って厄除けする”宝弓の作法”が行われた後、護摩壇に火がつけられた。読経の声が響く中、参拝客らの願い事が書かれた護摩木が古い御札などとともに次々と火に投げ入れられ、訪れた参拝客らは護摩壇の周りで手を合わせ、1年の家内安全などを祈っていた。

東大寺・二月堂「修二会」の”お松明”始まる 3/14 まで

東大寺の二月堂で3月1日夜から、奈良に春の訪れを告げる伝統行事「修二会(しゅにえ)」の一環、欄干から大きなたいまつを振って火の粉を散らす”お松明”が始まった。お松明は14日まで。たいまつの火の粉を浴びると健康に過ごせるといわれ、このご利益を授かるために多くの人が訪れる。
”お水取り”の名で知られる修二会は「練行衆(れんぎょうしゅう)」と呼ばれる僧侶たちが国の安泰を願って修行する、奈良時代から続く行事で、今年1273回目となる。「童子(どうじ)」と呼ばれる練行衆の補佐役が、燃え盛るたいまつを二月堂の欄干から突き出し駆け抜けた。

京都・宇治 平等院で創建した藤原頼通しのぶ「関白忌」

京都府宇治市にある世界遺産、平等院鳳凰堂で3月2日、同寺を創建した藤原頼通をしのぶ恒例の法要「関白忌」が厳かな雰囲気の中、営まれた。今年は頼通の没後950年の「大遠忌(だいおんき)」だった。頼通は関白として権勢をを振るったことで知られる。毎年3月2日に関白忌として法要が営まれ、地元では春の訪れを告げる行事として親しまれている。

奈良・本薬師寺跡「正門」構造判明 飛鳥時代の国家寺院

奈良県橿原市は、飛鳥時代に創建された国家寺院の本薬師寺跡で、南門基壇の南東隅と基壇を取り囲む石敷きが見つかったと発表した。石敷きは基壇東側と南側にあり、幅3.3m。20〜40cm大の石が敷き詰められ、中央に雨落ち溝があった。
この結果、正門にあたる南門の構造や位置が明らかになり、同市は「藤原京以前の寺院で正門の状況が分かる例は非常に少ない。古代の寺院史研究における貴重な成果」としている。
本薬師寺跡は過去の調査で、金堂と東西塔、中門などからなる伽藍(がらん)配置が分かっている。本薬師寺は、天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気平癒を祈願し建立した国家寺院。平城京への遷都に伴い、現在の奈良市にある薬師寺に移ったとされる。