日本へ派遣前の日本語研修スタート EPA第7期候補者
国際交流基金は11月28日、南ジャカルタ・スレンセン・サワの教育文化省語学教員研修センターで、日本・インドネシア経済連携協定(EPA)による看護師・介護福祉士候補者第7期生への日本語予備教育事業の開講式を開いた。第7期の研修生は看護師候補者44人と介護福祉士候補者147人の計191人。6カ月後の訪日研修に備え、2014年5月28日まで日本語と社会文化を学ぶ。
研修生はインドネシア国内での研修後、日本でさらに6カ月間の研修を受ける。事前にマッチングを済ませた受け入れ先の病院、福祉施設で働きながら、国家試験の勉強を始める予定。
月別アーカイブ: 2013年11月
ジョクジャカルタのお好み焼き店が日・イ交流の場に
ジョクジャカルタのお好み焼き店が日・イ交流の場に
日本人留学生が多く住むジョクジャカルタ特別州スレマン県に今年4月、本格的な日本風お好み焼き店「こてこて」がオープンした。元広島大の留学生、ガリー・ハリラニンダ・ベルダナさん(28)が、「日本のありのままのお好み焼きを提供したい」とこだわって開業した、ムスリムにも配慮した「ハラル」お好み焼き店だ。以下、じゃかるた新聞が伝える、インドネシア人と日本人の交流の場となっている同店の様子を紹介する。
入口には店名が書かれた手作りの暖簾(のれん)が下がり、オレンジ色の電球が温もりを感じさせる。香ばしいソースの匂いに誘われて中に入ると、カウンター上部には木の札に書かれた「広島風」「大阪風」の文字。ソースや鉄板、店の内装まで、日本のありのままにと、こと細かくこだわったあとがうかがわれる。ソースは自家製だ。壁には店を訪れた多くの人々の写真が飾られている。ガリーさんは、日本の味をインドネシアに広めるとともに、店を触れ合いの場として様々な人に交流してもらいたい-と話す。
店主ガリーさんがここまでこだわる日本との関わりは古く、それは幼少期に遡る。親の都合で幼稚園~小学5年生までを広島県東広島市で過ごしたのだ。この間に胸の奥深くに刻み込まれた日本への思い入れは、インドネシア帰国後も捨てられずに、広島大学に留学という形で具現化されることになった。
そんなガリーさんだけに、「こてこて」のお好み焼きは通常、インドネシアで出されるお好み焼きとかなり違う。インドネシアでは一般に薄くてべったりしたお好み焼きを出す店が多い。ところが、「こてこて」では日本のオリジナルに近いお好み焼きに仕上げている。魚介やチーズなど様々なトッピングが可能で、サイズは大、中、小を用意。値段は1万ルピアから。本格指向のこだわりが受けてか「こてこて」は毎晩、多くのインドネシア人や日本人留学生らでにぎわう。とくに日本からの帰国子女たちに人気があり、憩いの場所になっているという。
熊本大が2大学と提携 アイルランガ大,ITSと交流強化
熊本大が2大学と提携 アイルランガ大,ITSと交流強化
熊本大学は東ジャワ州スラバヤの国立アイルランガ大学と連携強化に向けた覚書、スラバヤ工科大学(ITS)と修士レベルでの共同学位プログラムをそれぞれ締結した。これにより、インドネシアの大学機関との交流を促進する。
11月25、26の両日にはスラバヤのホテルで第10回熊本大学フォーラムを開催。同大からは約40人の教職員が参加し、アイルランガ大やITS関係者も出席した。アイルランガ大の研究者が生命科学分野の学部の教育に関してプレゼンし、熊本大の研究者は地質工学など様々な分野で特別講義を実施。同大の谷口功学長は「インドネシアの大学機関と関係を深化させていきたい」と意気込みを語った。
熊本大学には現在450人の留学生が在籍。インドネシア人留学生は全体で2番目に多い44人。2010年にはITS内に熊本大オフィスを設置し、学術交流などを通じ両校の交流を深めてきた。
パプア州で日本兵の遺骨282柱を確認 厚労省の派遣団
パプア州で日本兵の遺骨282柱を確認 厚労省の派遣団
太平洋戦争中に死亡した日本兵の遺骨を収集するため、インドネシアパプア州ビアク島を訪れている厚生労働省の派遣団は11月25日、282柱の遺骨を確認し、焼骨した。26日の追悼式などを経て、遺骨はおよそ70年ぶりに帰国する。遺族ら民間6人と厚生労働省や大使館の職員で構成される派遣団は19日、同島に入った。地元住民らの協力も得て、収集した遺骨をインドネシア大学の法医学者らが鑑定した。
同島での遺骨収集は56年に開始され、今回で15回目。太平洋戦争末期、日本軍の航空基地があった同島は1944年5月末、圧倒的な軍備を誇る米軍上陸後、日本軍は壊滅。応戦した日本兵約1万1000人が死亡。帰還した遺骨は、今回確認分も含め約4250柱にとどまり、まだ約6750柱が同島に眠っているとされる。
東ティモール警察官がブカシで日本式地域警察官育成研修
東ティモール警察官がブカシで日本式地域警察官育成研修
じゃかるた新聞によると、東ティモールの警察官がインドネシア警視庁で、11月17日から1週間にわたり、日本式の地域警察官の育成研修を受けている。研修には30~40代の東ティモール警察官が参加。警視庁ブカシ県、ブカシ市両署管内の交番や駐在員から業務の内容などの説明を受けるとともに、地域の民家や学校に出かけ、実際の巡回連絡を経験した。
インドネシア警視庁は10年以上前から、国際協力機構(JICA)による警察改革支援で、交番制度など日本式の地域警察官の育成を図っている。また、東ティモールは2002年の独立以降、治安状況が徐々に改善。さらなる安定化には地域住民との協力や信頼関係の構築が重要で、東ティモール警察は2008年から日本式地域警察官制度の確立を目指している。そこで今回、東ティモールは同国より早く日本式地域警察官育成を始め、一定の成果を出しているインドネシアの事例に学ぼうというのが狙い。
鎌倉時代の”雅”の音色蘇る 陽明文庫の「笙」を補修
陽明文庫(京都市右京区)が所蔵する雅楽の管楽器「笙(しょう)」のうち、鎌倉時代の「菊丸」が分解・補修され、約700年前の音色を取り戻した。制作年は1277年と判明し、演奏できる笙としては国内最古。東京大史料編纂所の研究チームが笙の第一人者、岩波滋・元宮内庁式部職楽部主席楽長の協力で笙5管を調査した。このうち「菊丸」を分解すると、17本ある竹の1本に「菩提山」などの文字が刻まれていた。さらに赤外線撮影した写真などから「貞俊」「行年三十九」などの文字が判読できた。菩提山は奈良市菩提山町にある正暦寺の山号。貞俊は1238年生まれの笙制作の名人で、39歳の1277年、正暦寺の工房で「菊丸」を制作したことが確認された。
このほか、室町時代の作と推定される笙や「貞享二年」(1685年)の銘がある笙「雲龍」も補修され、演奏できるようになった。11月17日に京都市中京区の立命館朱雀キャンパスで行われる陽明文庫講座では、岩波さんがこれらの笙を演奏する。陽明文庫は藤原道長から続く五摂家の一つ、近衛家の宝物を所蔵する。