月別アーカイブ: 2014年11月

養殖トラフグの消費拡大に向け知恵絞る産地関係者

養殖トラフグの消費拡大に向け知恵絞る産地関係者

養殖トラフグの出荷の伸び悩みによる卸値の低迷が続いているが、こうした状況を打開するため、山口県下関市などの生産地の関係者は、消費拡大に向け知恵を絞り出した。一つは本格的な輸出への取り組みであり、いま一つは需要期にとらわれない年間平準化への試みだ。

養殖トラフグの輸出はこれまでは米国向けの年間1㌧程度だったが、日本の水産物への関心が高まっている東南アジアで市場開拓することにした。10月から下関の仲卸がシンガポールへの本格的な輸出を始めた。また、マレーシアにも11月から輸出を始めている。下関にも多くの外国人観光客が訪れるようになり、こうした人たちへの需要も出てきている。

トラフグは出荷量の4分の1が12月に集中しているように、冬場に突出している。これを年間に平準化しようと、産地では夏場の売り込みにも力を入れているという。関西では、フグは年中食べられている。ただ、他はそうではない。そこで、フグをメインにする東京の外食店への売り込みに懸命だ。こうした努力もあって、東京の外食店「とらふぐ亭」を運営する東京一番フーズ(東京都新宿区)は5~11月に限定のふぐの食事プランを用意し、7~8月の売り上げが伸びているという。

外食各社が海外出店計画「日本食」東南アで攻勢

外食各社が海外出店計画「日本食」東南アで攻勢

外食各社の東南アジアへの出店計画が明らかになった。コロワイド(横浜市西区)は年内にインドネシアの現地企業、マスピオングループのマリンド・ボガと合弁会社を設立し、焼肉店「牛角」の展開を始める。しゃぶしゃぶ店「温野菜」と合わせ5年で50店を設ける計画だ。1号店はジャカルタに出店する。

フィリピンでは外食チェーン、ロイヤルホールディングス(HD、東京都世田谷区)が2015年1月にマニラに「天丼てんや」の1号店を開く。FC展開で今後5年で20店弱に増やす。元気寿司(栃木県宇都宮市)はフィリピンに15年8月までに1号店を出す。このほど現地企業とFC契約を結んだ。大手回転すし店のフィリピン進出は初めてという。

コロワイドは海外に約70店、うちアジアで約40店を展開する。「天丼てんや」の海外展開はタイ、インドネシアに続き3カ国目。元気寿司は海外7カ国に約110店を展開しており、東南アジアではシンガポール、タイ、インドネシアに出店している。

養殖トラフグの安値続く 2年前より3割安 需要低調

養殖トラフグの安値続く 2年前より3割安  需要低調

養殖トラフグの安値が続いている。2012年にフグの取り扱いについて、東京都で条例が改正され、ふぐ調理師以外でも都に届け出た飲食店などが販売や調理できるようになったことで、これを機に一時は消費の増加が見込まれたが、引き合いは盛り上がりを欠いたままで、価格は長く低迷が続いている。期待は完全に空振りに終わった。

養殖トラフグの取引で指標となる山口県下関市の南風泊市場での卸値は、前年同期と同値の1㌔1800~2000円で推移している。ただ、2年前と比べると3割安い水準だ。2013年は「(卸値が)2000円を割る記録的な安値」をつけた。そして、今年もその安値が続いている。

九州大と福岡市 ブランド牛量産化に向け実証実験

九州大と福岡市  ブランド牛量産化に向け実証実験

九州大学と福岡市は共同でブランド牛の量産化に向けた実証実験を始める。九大が持つノウハウやIT(情報技術)を使い、畜産農家の省力化を目指した飼育技術を確立する。市保有の背振牧場(福岡市早良区)で取り組む。初年度は3~5頭の雌牛を導入し、出産、肥育まで手掛ける。まず市内の畜産農家のに技術を普及させ、5年後をめどに少なくとも年100頭を市場で流通させたい考えだ。九大発ブランド牛「QBeaf」として売り出す

京都「日本酒条例サミット」40自治体から首長ら参加

京都「日本酒条例サミット」40自治体から首長ら参加

地元産の日本酒や焼酎、ワインでの乾杯を奨励し、消費拡大を促す目的の条例を定めた自治体が集う「日本酒条例サミット」が11月29日、京都市で開かれた。サミット開催は2013年1月に全国で初めて日本酒乾杯条例を施行した京都市が呼びかけ、全国約40自治体などから首長や議員らが参加。参加者が日本酒を通じた地元での取り組みを紹介した。

岩手で食料生産の先端技術 研究成果発表会 農水省

岩手で食料生産の先端技術 研究成果発表会  農水省

農林水産省は12月18日、岩手県陸前高田市で「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」の研究成果発表会を開く。震災被災地復興のため、岩手県内で行った各種の取組・成果を報告する。主なテーマは中山間地域での施設園芸技術、ブランド化を促進する果実の生産・加工技術、ブランド化を促進する野菜の生産・加工技術など。会場は同市のキャピタルホテル1000カメリアプラザホールで、午後1時半から。

鶴見区の花博会場がいまや「コスプレ聖地」

鶴見区の花博会場がいまや「コスプレ聖地」

1990年に花の万博が開かれた花博記念公園鶴見緑地(大阪市鶴見区)。当時造られた世界各国の建物や庭園を集合地として、週末や休日にはアニメやゲームのキャラクターになりきったコスプレーヤーが集まり、いまや同地が「コスプレの聖地」となっている。園内には欧米やアジアなど約50カ国の庭園がある。鶴見区によると、4年ほど前から口コミで評判が広がり、そのころから休日には必ずコスプレーヤーが集まるようになったという。今年4月以降、公園事務所や区はコスプレーヤーがトイレや公園の一角を占領する事態を改善するため、月に1度のペースで「コスプレ講習会&利用開放デー」を開始。幅広い交流の場ともなりつつある。

「京町家」継承へ市・京商など連携 所有者支援ネット

「京町家」継承へ市・京商など連携  所有者支援ネット

京町家の円滑な保全・継承を目指し、京都市が京都市や京都商工会議所、京都経済同友会は、不動産や金融、法律などに関する各団体と連携し、「京町家等継承ネット」(代表・高田光雄京都大工学研究科教授)を設立した。相続や維持管理などの課題解決に向け、協力体制を強化するとともに、それぞれの業界で京町家に対する理解の向上を図る。

阪急電鉄「駅ナカ」学童保育に参入 関西大手私鉄で初

阪急電鉄「駅ナカ」学童保育に参入  関西大手私鉄で初

阪急電鉄は11月28日、学童保育事業に参入すると発表した。2015年4月1日、大阪府豊中市の阪急豊中市駅構内に1号店を開業する。少子高齢化で、将来的に見込まれる沿線人口の減少を食い止めるため、子育て世代のニーズに応えて沿線の利便性を上げ、鉄道の利用客の増加につなげたい考えだ。

阪急電鉄によると、関西の大手私鉄で学童保育を手掛けるのは初めてという。今後5年間で10店舗まで増やす計画。施設の名称は「アフタースクールKippo(キッポ)」。小学1~6年生が対象で定員約40人。最長で正午から午後9時まで預けることができる。

家庭用のバター 乳業大手に農水省が増産要請

家庭用のバター   乳業大手に農水省が増産要請

家庭用バターの品薄を受け、農林水産省は11月28日、大手乳業メーカーに対し、クリスマスケーキ向けなどの需要増が見込まれる年末に向け、最大限の供給をするよう要請した。家庭用バターの増産計画を早期に報告するよう求めた。政府は今年度、昨年の生産量の約2割に相当する計1万㌧の業務用バター輸入を決めた。このうち2000㌧がすでに輸入され、11月中に5000㌧、2015年3月までに3000㌧輸入する予定だ。各メーカーには、できるだけ家庭用に振り向けるよう求めた。

バター不足は、原料となる生乳生産量が落ち込んでいるためだ。円安で輸入飼料が高騰し、酪農家が減っているうえ、昨年の猛暑が響いている。生乳は、牛乳向けが優先され、次がチーズや生クリーム用などで、保存できるバター向けは後回しにされる。このためスーパーなどでバターが不足している。