月別アーカイブ: 2015年1月

香川県・畜産業者が欧州にブランド和牛「オリーブ牛」

香川県・畜産業者が欧州にブランド和牛「オリーブ牛」

香川県の畜産業者などでつくる讃岐牛・オリーブ牛振興会(高松市)は同県のブランド和牛「オリーブ牛」を欧州に初めて輸出する。フランスを手始めに、イタリアやドイツにも拡大する。欧州連合(EU)への牛肉輸出は2014年解禁された。従来のアジア向けを加え、3年後に数百頭の輸出を目指す。フランスへは3月までに5頭程度の輸出を計画。イタリアへの販路も開拓する。5~10月開催のミラノ万博で香川県は「オリーブ牛肉うどん」の展示を予定。振興会は万博を通じオリーブ牛の知名度を高め、イタリア向け輸出につなげる。ドイツで秋に開く大型展示会へも出展予定で、高級レストランなどでの需要を見込む。

14年の大阪主要ホテルの稼働率88%で過去最高

14年の大阪主要13ホテルの稼働率88%で過去最高

大阪市内の主要13ホテルの2014年通年の平均客室稼働率が88.5%となった。前年比で1.5ポイント上昇し、09年以降では過去最高を更新した。訪日外国人客の増加に加えユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の新エリア効果も稼働率を押し上げた。15年も追い風は続く見通し。

明治の岩倉使節団30年後の”同窓会”の集合写真など見つかる

明治の岩倉使節団30年後の”同窓会”の集合写真など見つかる

明治維新直後に政府が米欧に派遣した岩倉具視を団長とする使節団(1871~73年)の”同窓会”の集合写真や随行員任命書など、希少性の高い多数の写真や文書が東京都内で見つかり、長崎歴史文化博物館(長崎市)に引き取られた。資料は元佐賀藩士で、明治政府で文部官僚を務めた中島永元(ながもと、1844~1922年)に関する約1100点。中島は佐賀藩が長崎に設けた藩校・致遠館(ちえんかん)の元教師で、岩倉使節団にも加わり欧米を視察。貴族院議員も務めた。

資料は約600点の写真史料と約500点の文書史料からなる。集合写真は幕末から明治にかけて活躍した写真家、上野彦馬が撮影したもの。1902年(明治35年)に開かれた「岩倉大使同行記念会」の写真は縦40㌢、横56㌢。写真に収まっている26人の中には、津田塾大の創立者、津田梅子も写っている。

台湾沖の海底で「アジア第4の原人」化石見つかる

台湾沖の海底で「アジア第4の原人」化石見つかる

国立科学博物館などの国際チームは1月27日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に、台湾沖の海底で新たな原人の化石が見つかったと発表した。北京原人などアジアの他の原人とは異なる特徴を持つ「第4の原人」と考えられ、古代の人類が各地で多様に進化していたことを示す発見として注目される。同チームによると、発見されたのは下あごの骨の右半分の化石。時期は不明だが、台湾本島と澎湖(ほうこ)諸島の間の海域で底引き網に引っかかり、地元収集家が保管していた。この海域では台湾が大陸と陸続きだったころに生息していたゾウの化石が大量に見つかっている。

今回見つかったあごの骨の幅は、75万~40万年前の北京原人の化石の平均よりも4㍉以上厚く、親知らずの一つ手前の第2大臼歯も一回り大きかった。80万年前のジャワ原人よりも大きい。進化に伴って歯やあごは小さくなるため、ジャワ原人、北京原人の子孫ではないと結論付けた。アジアではこれまで、ジャワ原人(120万~5万年前)、北京原人(75万~40万年前)、そして2003年にインドネシアで見つかった小型のフロレス原人(100万~数万年前)の三つの原人グループが知られている。

日露戦争で陸軍作戦指揮の児玉源太郎の手帳・書類etc400点

日露戦争で陸軍作戦指揮の児玉源太郎の手帳・書類etc400点

日露戦争(1904~05年)で陸軍の作戦を指揮した軍人で政治家の児玉源太郎が記した手帳や書類など約400点が東京都内の児玉の旧宅で見つかった。桂内閣が進めた露との講和(05年9月5日)を「失敗」と記した覚書もあり、当時の政治に不満、不信感を抱えた、合理的な政略家としての児玉の一面がうかがえる。

児玉は直筆1次史料が少なく近現代史研究の第一級史料といえそうだ。児玉の長男・秀雄氏(故人)の調査を進める過程で発見された。とくに日露戦争関連が多い。

子規、漱石、熊楠らの東大予備門時の成績表見つかる

子規、漱石、熊楠らの東大予備門時の成績表見つかる

愛媛県松山市の「坂の上の雲ミュージアム」は1月27日、松山出身の俳人・正岡子規、夏目漱石、南方熊楠らが東大予備門(現教養学部)1年の時の成績表が見つかり、2月24日から展示すると発表した。1学期の修身学や和漢文など11科目評価。子規は「日本歴史」が得意な半面、英語で出題された幾何学は苦手だった。全体では110人中34位と「中の上」だった。成績表には子規と同学年だった夏目漱石(22位)の本名・塩原金之助や南方熊楠(69位)の名前もみえる。

奈良県・纏向遺跡で占い用「骨」初めて出土

奈良県・纏向遺跡で占い用「骨」初めて出土

奈良県桜井市教育委員会は1月29日、同市の纏向(まきむく)遺跡(国史跡)で、3世紀後半~4世紀初め(古墳時代前期)に占いに使ったとみられる動物の骨「卜骨(ぼっこつ)」が見つかったと発表した。邪馬台国の有力候補地とされる纏向遺跡で卜骨が出土したのは初めて。当時の祭祀(さいし)のあり方を考えるうえで意義深い発見という。卜骨はイノシシの成獣の右肩甲骨で、長さ16.7㌢、幅6.7㌢。人工的に掘られた穴の底部から見つかった。直径1㌢ほど丸く削った部分が3カ所あり、それぞれ点状に焦げた跡があった。先端が細い熱した道具を押し付けてできたとみられる。

中国の歴史資料「魏志倭人伝」に、3世紀の日本では人々が骨を焼き、割れ方を見て吉凶を占ったとの記述がある。卜骨は紀元前の弥生時代前期から全国で確認され、古墳時代に減少。7世紀以降の律令時代には国が祭祀の部署を設け、亀の甲羅を焼く占いをした。

インドネシア政府 日本協力のインフラ整備事業見直し

インドネシア政府  日本協力のインフラ整備事業見直し

インドネシア政府は、日本が構想づくりから協力してきたインドネシア整備事業で目玉となるはずだった高速鉄道や新国際港建設を2019年度までの中期開発計画に盛り込まない方針であることが分かった。アンドリアノフ国家開発企画相が1月28日明らかにした。高速鉄道は日本の新幹線をモデルに、首都ジャカルタを起点にジャワ島を横断させる構想で、日本の国際協力機構(JICA)が、一部区間について事前調査中。新国際港はジャカルタ郊外のチラマヤが建設候補地で、総工費3500億円で、日本政府が「フラッグシップ(旗艦)事業」と最重視して今年にも建設が始まるといわれていた。

同相は「新幹線はわが国には時期尚早。新港は(土地収用などで)稲作や石油パイプラインなど既存の産業に影響が出かねない。ほかにも見直しがある。近く最終決定して日本に伝えたい」としている。日本側がほかに推進しているジャカルタ都市高速鉄道(MRT)や複数の発電所の建設など、20件近い事業は採用される予定だという。朝日新聞が報じた。

14年近畿圏の貿易収支は2年連続赤字 輸入は過去最高

14年の近畿圏の貿易収支は2年連続赤字  輸入は過去最高

大阪税関がまとめた2014年の近畿圏貿易概況(速報)によると、輸出は前年比7.0%増の15兆6661億円で2年連続で増加した。輸入は同6.9%増の16兆3033億円で過去最高を更新した。この結果、差し引き6372億円のマイナスで2年連続の赤字となった。品目別では輸出が中国、台湾、メキシコ向けの液晶パネルや同材料などの増加が寄与。輸入はカタール、オーストラリア、ロシアなどの天然ガス、および製造ガスが増加要因となった。また輸入・輸出総額は、関西空港が7年ぶりに大阪港を上回った。

関西の経営者に「賃上げ検討を」榊原経団連会長

関西の経営者に「賃上げ検討を」榊原経団連会長

経団連の榊原定征会長は1月27日、大阪市内のホテルで関西の会員企業の経営者らと意見交換会を開いた。榊原氏は「経済の好循環をしっかり回すため、収益が拡大した企業には賃金引上げを前向きに検討いただきたい」と強調し、政府が経済界に求めている賃上げへの協力を呼びかけた。

関西財界を代表し、関西経済連合会の森詳介会長は、安全性が確認された原発の早期再稼働やリニア中央新幹線の大阪までの全線同時開業に向け、経団連として国への働きかけを強めるよう求めた。