東大 健常高齢者のアルツハイマー病の前期症状の特徴発見

東大 健常高齢者のアルツハイマー病の前期症状の特徴発見

東京大学大学院医学系研究科の井原涼子特任助教、岩坪威教授らの研究グループはこのほど、60~84歳の認知機能正常高齢者を対象にしたアルツハイマー病の前期症状などの研究成果を発表した。
今回の研究成果のポイントは①アルツハイマー病の病理核的変化が始まっているが、認知機能障害をまだ発症していない「プレクリニカルAD」が、日本人高齢者の2割程度を占めることを示した②プレクリニカルADの被験者の認知機能を3年間にわたって追跡すると、記憶および遂行機能の検査での学習効果が減弱する傾向がみられた③これらの特徴に留意することで、プレクリニカルADを対象とする根本治療薬の治験における被験者の効率的な選択や、新たな認知機能検査の創出が進むものと考えられる-など。
今回同研究グループは、日本で2008年から2014年にかけてアルツハイマー病初期段階の経過を明らかにすることを目的に行われたJ-ADNI研究のデータを用いて、プレクリニカルADの頻度や臨床的な特徴を解析した。