弥生時代前期の水田跡から玄米出土 奈良県の秋津遺跡

弥生時代前期の水田跡から玄米出土 奈良県の秋津遺跡
 奈良県立橿原考古学研究所は1月19日、弥生時代前期(約2400年前)では全国最大の水田跡、秋津遺跡(奈良県御所市)で当時のものとみられる玄米が出土したと発表した。玄米は11粒あり、当時の耕作土の中から30㌢ほどの範囲内でまとまって出土した。大きさは約4㍉で色は茶色。外見上は長粒種ではないという。また胚が残存しており、ほぼ完全な状態という。
 弥生時代のコメは各地で見つかっているが、ほとんどが真っ黒に劣化した状態で「炭化」と呼ばれ、今回ほど保存状態の良い例は極めて珍しいという。泥で包まれて酸素が遮断されるなど様々な条件が重なったとみられる。今後DNAなどを分析して品種や性質を詳しく調べる方針で、収量をはじめ初期稲作の実態解明につながると期待される。