複数の女性像描かれた板絵見つかる 鳥取・青谷横木遺跡

複数の女性像描かれた板絵見つかる 鳥取・青谷横木遺跡

鳥取県埋蔵文化財センターは12月15日、古代の道路遺構などが確認された鳥取市の青谷横木(あおやよこぎ)遺跡で、複数の女性像が墨で描かれた板絵(7世紀末~8世紀初め)が見つかったと発表した。
飛鳥~奈良時代の女性群像の発見は、「飛鳥美人」で知られる奈良県明日香村の高松塚古墳(特別史跡、7世紀末~8世紀初め)の極彩色壁画(国宝)に次いで2例目。
絵はばらばらの板片5点に墨で描かれ、百橋明穂(どのはしあきお)神戸大名誉教授が調べた結果、6人の女性とみられる人物が描かれていることが判明した。
全身が残った図像はなかったが、目・鼻・口などが見えない顔と上半身の人物(長さ約7.5㌢)、「払子(ほっす)」とみられる仏具を持った人物の上半身(長さ約5㌢)、スカート(裳=も)をはいた下半身(長さ約8㌢)などの図像が確認された。
7世紀末~8世紀初めに築かれた古代の官道「山陰道」とみられる道路遺構に、10世紀後半に土地を区画した「条里」の遺構が交わる地点で出土した。
中国大陸や朝鮮半島など東アジア世界の文化交流の実像を浮き彫りにする貴重な資料として注目される。