鹿児島・白亜紀後期の地層から大型草食竜の歯の化石

鹿児島・白亜紀後期の地層から大型草食竜の歯の化石
 鹿児島県薩摩川内市教育委員会は2月14日、下甑島(しもこしきじま)の鹿島地区で約8000万年前の白亜紀後期の地層から、大型草食恐竜「竜脚類」の歯の化石1本が見つかったと発表した。白亜紀後期の化石は福島、岩手、熊本各県に続き国内4例目という。縦17㍉、幅5㍉、厚さ5㍉で細長い円柱形。下顎の歯とみられ、葉を噛み切る際に擦られてできたV字状の磨耗面が先端にあり、竜脚類と判断した。全長は10㍍以上と推定される。モンゴルのゴビ砂漠で見つかったネメグトサウルスに近いという。
 竜脚類は長い首と尾を持ち、4本足での歩行が特徴。首と尾を伸ばし帆船のように風を受けて歩いていたと想像される。ジュラ紀後期(約1億5000年前)の温暖な気候に適応して大型化し、最も大きな種は体長35㍍、重さ40㌧。ただ歯はまばらで、葉を噛み切ることに向かず、歯が発達した他の草食恐竜との生存競争に敗れ衰退したとされている。