一茶が妻を気遣う手紙など新資料を公開 記念館

一茶が妻を気遣う手紙など新資料を公開 記念館
 長野県信濃町にある一茶記念館は3月19日、小林一茶(1763~1827年)が妻きくに宛てた手紙と俳句など計44点の新資料が貼られた折り本を報道陣に公開した。手紙は病弱な妻の体調を気遣い、具合が悪くなったときに備えて、自分の出先の連絡先を伝えている。一茶が江戸から故郷に戻り、信濃町を拠点に活動していた1817年か1820年のいずれかに書かれたとみられる。俳句の弟子を訪ねて回っていた一茶が長野市の善光寺から、信濃町柏原の自宅にいる妻に送った。
 折り本「柏原雅集」は信濃町の問屋、中村利貞が明治時代に作成し、新たに見つかった9句を含む俳句や、知人と詠んだ連歌が書かれた和紙を厚紙18㌻に貼り付けてある。見つかった資料は、一茶が33~65歳の作品で、年齢の変化による筆跡の変遷も分かる。