「天空の城」竹田城跡の石垣修復 現代の名工が指揮

「天空の城」竹田城跡の石垣修復 現代の名工が指揮
 雲海に包まれる姿が「天空の城」と人気の国史跡・竹田城跡(兵庫県朝来市)で石垣の修復がほぼ終了した。現場で指揮を執ったのは「穴太衆(あのうしゅう)」と呼ばれる戦国時代から続く石工集団の流れを受け継ぎ、「現代の名工」のも選ばれた粟田純司さん(73)だ。穴太衆は比叡山延暦寺の門前町、大津市坂本付近に住んでいた石工集団で、織田信長の安土城をはじめ全国の城郭の工事に携わったとされる。
 粟田さんはこの石工集団の技術を代々受け継ぐ家に生まれ、石積みの技術者で人間国宝だった父、万喜三さんから技を継承した。穴太衆積みは各地に残る城跡の8割以上に使われ、「築石(つみいし)」と呼ばれる表面に見える大きな石の裏側に、直径5㌢前後の「栗石(ぐりいし)」を敷き詰める。これによって、堅固な城郭ができ上がるというわけだ。