奈良・法輪寺で飛鳥時代の鉄製舎利孔蓋を確認

奈良・法輪寺で飛鳥時代の鉄製舎利孔蓋を確認

奈良県斑鳩町教育員会および奈良文化財研究所の調査によると、斑鳩町の法輪寺で仏舎利(ぶっしゃり=釈迦の遺骨)の壺を納めた穴の蓋「舎利孔鉄蓋(しゃりこうてつぶた)」が確認された。法輪寺が5月23日発表した。
鉄製で、飛鳥時代の7世紀後半のものとみられる。蓋は円盤状で直径約33㌢、厚さ0.5~1㍉、重さ712㌘。仏舎利の入った「銅壺(どうこ)」(国重要文化財、飛鳥時代)を納めるため三重塔の心柱の礎石に開けられた穴を塞ぐ蓋とみられる。もとは直径34㌢ほどで中央につまみがあったとみられるが、錆びて周辺部やつまみは失われていた。
解体修理中の1739(元文4)年に仏舎利などが見つかった時の記録「仏舎利縁起」(国重要文化財)には、仏舎利に関する9つの品の一つとして「金蓋(かなぶた)」が描かれており、大きさや形などの特徴が似ていることから同一品と判断した。
古代寺院での鉄製の舎利孔蓋が確認されたのは初めての事例という。法輪寺は聖徳太子の子、山背大兄皇子の創建と伝わる古刹。