清水寺で綸旨・秀吉の書状など古文書194点確認

京都市東山区の清水寺は7月7日、室町時代から幕末に至る歴代天皇の綸旨(命令書)16点を含む古文書194点が見つかったと発表した。
最も古い綸旨は応仁の乱(1467~1477年)で焼失した清水寺の復興に尽くした中興の祖、願阿(がんあ)上人に対し、後土御門天皇が再建を了承する内容。室町幕府の初代将軍・足利尊氏や豊臣秀吉の書状などもあった。
これらは願阿上人が開いた清水寺の子院、成就院に残されていた文書。願阿は清水寺再建のため招かれ、寄付金集めの「勧進」を展開した。応仁の乱以前から鴨川に橋を架け、飢餓に苦しむ人々を救済するなど庶民から厚い支持を受けた社会事業家で、1484年の本堂の再建を見届け、1486年に亡くなった。成就院は、幕末には尊皇攘夷の舞台ともなり、西郷隆盛と行動をともにした月照(げっしょう)も住職を務めている。