「年収の壁」178万円へ引き上げ 自国合意

高市首相(自民党総裁)と国民民主党の玉木代表は12月18日、国会内で会談し、所得税の課税が始まる「年収の壁」を現行の160万円から178万円まで引き上げることなどを明記した合意書に署名した。国民民主党の要請を受け、低所得層に加え2年間の時限措置として中所得層の控除も大幅に引き上げて手取りを増やすーーなどが主な内容。 合意書には、2026年度税制改正法案と2026年度予算案を年度内の早期に成立させることも盛り込まれている。

26年1月からEV補助金40万円増 FCV下げ

政府は2026年1月から、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)などエコカーを購入した人への補助金を見直す方針を決めた。新たな制度では、EVの補助金の上限額は90万円から40万円増の130万円に、FCVが225万円から105万円減の150万円に、プラグインハイブリッド車(PHV)が60万円から25万円増の85万円とする。軽自動車のEVは58万円で据え置く。 改定するのは、国の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」。新たな補助金は2026年1月1日以降の登録車が対象となる。FCVについては、2026年4月1日以降、適用する。

旧統一教会に賠償命令 献金勧誘は違法

東京高等裁判所で12月18日、元信者(故人)遺族が、違法な勧誘で献金させられたとして世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に損害賠償を求めた訴訟の、最高裁の差し戻し控訴審判決があった。水野有子裁判長は、教団側に計約6,480万円の賠償を命じた。 元信者が給湯一教会に行った総額約1億円を巡り、最高裁が2024年7月「献金の返済は求めず」の念書は無効ーーの判断を受けたもの。

1〜11月訪日外客3,906万人, 11月10.4%増

日本政府観光局(JNTO)の推計によると、11月の訪日外国人客数は前年同月比10.4%増の351万8,000人だった。この結果、1〜11月累計で3,906万5,600人となり、今年は11カ月間で、年間で過去最高を記録した2024年の3,687万148人を上回った。韓国、米国、台湾など19市場で11月として過去最高を記録し、11月までの累計では17市場で年間での過去最高を更新した。米国は初めて累計で300万人を突破した。年間で300万人市場となったのは中国、韓国、台湾に次いで4市場目。 11月の訪日客を市場別にみると、韓国が前年同月比10%増の82万4,500人に上った。中国は、政府による日本への渡航自粛の呼びかけがあったものの、3.0%増の56万2,600人とわずかながら前年同月を上回った。以下、台湾が同11.1%増の54万2,400人、米国が同22.2%増の30万2,500人の順だった。

ローマ字「ヘボン式」に 71年ぶり改定

政府は12月16日の閣議で、ローマ字の表記について、「訓令式」から「ヘボン式」を基本とするルールへ改めることを決めた。22日に内閣告示を出す。1954年の現行表記の告示以来、71年ぶりの改定となる。ヘボン式が広く社会で浸透していることに対応した。 これにより、訓令式の「si(ㇱ)」、「zi(ジ)」は、ヘボン式で「shi」「ji」と表記することになる。

女子ゴルフ 佐久間朱莉3冠 抜群の安定感

日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は12月16日、東京都内で2025年シーズンの表彰式を行った。4勝を挙げ、初の年間女王に輝いた佐久間朱莉が賞金ランキング1位、平均ストローク1位と合わせて個人3冠に輝いた。新人賞には、1勝を挙げ、年間ランキング7位の荒木優奈が選ばれた。 海外メジャーを制した西郷真央と山下美夢有には同輝き賞、樋口久子前JLPGA会長には同特別功労賞が贈られた。

24年相続税の課税対象が初の1割超 国税庁

国税庁は12月16日、2024年に相続税の課税対象になった被相続人の割合が死亡者全体(160万5,378人)の10.4%にあたる16万6,730人に上ったと発表した。課税割合が全死亡者の1割を超えるのは初めて。申告税額は3兆2,446億円となり、比較可能な2015年以降で最多だった。 相続税は「3,000万円プラス法定相続人1人あたり600万円」の基礎控除額を超えた場合に発生する。

北陸新幹線ルート 維新の要求で再検討

自民党と日本維新の会は12月15日、北陸新幹線の敦賀(福井県)ー新大阪(大阪市)間の延伸などを議論する与党整備委員会の初会合を開いた。整備委員会は与党プロジェクトチーム(PT)の傘下に置かれ、実質的な議論を行う場となる。 北陸新幹線の延伸を巡っては、2016年に政府、自民党および公明党の与党(当時)が小浜・京都ルートに決めた。しかし、維新はこのほかに小浜市と京都府亀岡市を通る「亀岡ルート」や、琵琶湖西岸を通る「湖西ルート」など計8ルートによる再検討を求めていた。今回9年ぶりに、この維新の求めを受け自民側が応じる考えを示したもの。

前のめりの維新, 冷静自民 ちぐはぐさ露呈

自民党と日本維新の会による衆院議員定数削減法案は12月16日、今国会で審議入りできずに次期国会へ持ち越しとなった。自民・維新連立の今後を占う試金石と目されたが、連立の条件に掲げた法案だけに”熱い”維新と、冷静な自民、両党の姿勢は好対照だった。 ひたすら”前のめり”に、実現をはやる維新に対し、自民は先行法案の企業・団体献金の見直し協議との調整に追われるちぐはぐな展開が続き、時間切れとなった。その結果、発足2カ月足らずの連立政権は不安定さを露呈した。 これは、維新側が遠藤国会対策委員長(首相補佐官)以外に、国会運営を熟知した議員が少ないためだ。維新の吉村代表が野党の姿勢を批判し、早急な衆院議員削減法案の審議入りを促したが、流れは全く変わらなかった。自民幹部からは、衆院議員を10カ月経験しただけの吉村氏は黙っていた方がいいーーと冷ややかだったという。 こうした状況を見かねた高市首相は今国会の終盤、自民執行部に「維新の顔を立ててほしい」と要請。これを受け、鈴木幹事長が会期延長を示唆するなどして維新に配慮したものの、時すでに遅し、時間切れとなった。

EUガソリン車禁止撤回, 35年以降も販売

欧州連合(EU)は12月16日、脱炭素に向けて、ガソリンなどを燃料とするエンジン車の販売を2035年に禁止するとした方針を見直すと発表した。これにより、製造時にCO2の排出量を抑えたガソリン車やハイブリッド車(HV)などの販売が一定数認められることになり、禁止方針は事実上撤回となる。 見直しは、自動車産業の影響が大きいドイツはじめ、イタリアなど欧州自動車工業会などが求めていた。今回の見直しではCO2の排出量についての規制を2012年比9割減とすることで、ガソリン車などの販売の継続を可能にする。