カイロ郊外「大エジプト博物館」開館 日本が842億円の円借款

エジプトの首都カイロ郊外のピラミッド近くに、日本の支援で建設された「大エジプト博物館」が11月1日、全面開館し記念式典が開かれた。同式典には約40カ国の首脳らが参加し、花火やドローン(無人機)ショーなどで開館を祝った。 展示面積は約5万㎡。古代エジプト文明を中心に至宝約10万点を所蔵し、エジプト観光の目玉となる。4日から一般公開される。日本は総工費約10億ドル(約1,540億円)のうち、842億円の円借款供与に加え国際協力機構(JICA)が遺物の保存・修復などの技術を伝授し、人材育成を支えた。 同博物館は2,012年に着工。政変などの影響で開館が何度も延期されており、今回ようやく全面開館にこぎつけた。

3歳マスカレードボール 競馬・天皇賞(秋)G1初制覇

競馬の天皇賞(秋)(G1、芝2000m)が東京・府中市の東京競馬場で行われた。3歳馬の初のG1の古馬との混合戦だったが、3歳の2頭が1、2位を占めた。 勝ったのは1番人気に支持されたマスカレードボール(クリストフ・ルメール騎乗、日本ダービー2着)。ルメール騎手は秋華賞、菊花賞に続いて3週連続のG1勝利を飾った。管理する手塚貴久調教師(美浦)は初勝利。2着にミュージアムマイルが入った。3着はジャスティンパレスで、2番人気の支持を集めたタスティエーラは、直線伸びきれず8着に敗れた

リニア中央新幹線 コスト倍増, 難題山積 開業見通せず

JR東海は、リニア中央新幹線の東京・品川ー名古屋間の工事費が、当初計画の約5.5兆円から倍増の11兆円に膨らむとの見通しを発表した。資材費の高騰や難工事への対応で費用がかさむ。すでに2021年に約7兆円へと修正しており、今回が2回目の見直しだ。 JR東海の丹羽俊介社長は、工事費の増加分は借り入れなどで対応するというが、運賃を引き上げる可能性にも言及している。同社長は、4年前にはまだ工事の難易度が見通しきれていなかったと説明するが、事業内容の精査に甘さはなかったのか?この種の工事は不確実な要素が多い。だが、コスト増が発生するたび、そのまま運賃に転嫁では利用者の理解は得られまい。 リニア中央新幹線は東京ー名古屋ー大阪の3大都市圏を結ぶ国の新たな大動脈として期待は大きいものの、開業時期は一向に見えてこない。品川ー名古屋間の2027年開業を目指して工事が始まったのは2014年末で、すでに10年余り経過している。 静岡県内を流れる大井川の水量が減少することへの懸念から、川勝平太前知事は計画に反対を続けた。このため、JR東海は2024年3月、2027年開業を断念した。知事は2024年5月に鈴木康友氏に代わったが、自然環境を巡る議論は続いている。そのため、工事開始に向けた認可は下りていない。 今回の工費は開業時期を2035年に仮置きして試算したものという。工期が延びれば費用は更に膨らむだろう。この難題をどう打開するのか? リニアは次世代の輸送手段として期待は大きい。超電導の技術を用いて東京ー大阪間の438kmをわずか1時間強で結ぶ計画だ。名古屋までの所要時間は最速40分となる。経済効果は年6.5兆円が見込まれており、恩恵は大きい。

フォーエバーヤングが快挙 米ブリダーズカップ制す

米カリフォルニア州デルマー競馬場で11月1日行われたブリダーズカップ(BC)で、日本調教馬のフォーエバーヤング(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎、坂井瑠星騎乗)が、メインのクラシック(G1、ダート2000m)を制し、日本競馬の新たな歴史を刻んだ。 同クラシックは、様々な条件で行われるBCの中で最も賞金が高いダート世界最強馬決定戦。優勝賞金は364万ドル(約5億6,000万円)。 多くのG1が開催されるBCの中で最も権威があり、米国のホースマンが渇望するタイトルを日本の人馬が奪取した。矢作氏は日本の調教師で最多の海外G110勝目。

ドジャース初の連覇 山本連投 MVP MLBワールドシリーズ制す

MLBのワールドシリーズ(WS、7回戦制)は11月1日、カナダのトロントで第7戦が行われた。その結果、またも延長線の末、ドジャース(ナショナル・リーグ)が5?4でブルージェイズ(アメリカン・リーグ)を下し、通算4勝3敗で2年連続9度目の制覇を果たした。連覇は球団初。 山本由伸投手がシリーズ最優秀選手(MVP)に選ばれた。山本は前日、第6戦の先発に続く連投で9回一死から救援登板し、延長11回まで投げて3勝目を挙げた。WSでの日本人選手のMVPは2009年の松井秀喜(当時ヤンキース所属)以来、2人目の栄誉。 大谷翔平選手は先発投手兼1番指名打者で出場。得点チャンスではほとんど申告敬遠され、勝負してもらえなかったが、チームの”顔”の1人として存在感を示した。米移籍1年目の佐々木朗希は第3、6戦で救援し、勝利に貢献した。

中国景況感 10月0.8ポイント悪化 7カ月連続50割下回る

中国国家統計局が発表した10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月より0.8ポイント悪化し、49.0だった。景況感の改善・悪化の判断の目安となる50を7カ月連続下回った。 中国政府が発表したレアアースのの輸出規制強化や、トランプ大統領が表明した対中追加関税の引き上げなど米中の貿易問題を巡る緊張の高まりが、企業の生産意欲を減退させた。また、不動産不況の長期化による内需低迷も景況を下押ししている。

JR西日本 32線区 赤字267億円 山間部路線特に厳しく

JR西日本は利用者が極めて少ないローカル線の収支状況を公表した。2024年度の輸送密度(1キロあたりの1日の平均利用者数)が2,000人未満だった区間を対象に、路線ごとに2022?2024年度平均の経営状況を集計した。 赤字は19路線32線区で、赤字金額は計267.5億円に上った。人口減少などに伴い、地方のローカル線で、特に山間部を走る路線などで厳しい収支状況が続いている。昨年の赤字は17路線30線区で、赤字額の合計は約233億円だった。 営業係数でみると、100円の収入を得るために必要な費用は、芸備線の東城(所在地:広島)ー備後落合(同)が9,945円に上ったほか、姫新線の中国勝山(所在地:岡山)ー新見(同)が4,510円となった。

江戸時代「寛永行幸」400年経て再現 26年12月, 京都で

江戸時代に後水尾天皇が徳川将軍家の招きで二条城を訪れ、2026年で400年になることを記念した「寛永行幸四百年祭」の概要が発表された。 行幸は行程約2キロ。2026年12月6日に行幸行列を再現する。このほか、2026年春から関連する企画展」を順次開催する。 寛永行幸は徳川幕府が朝廷との融和をアピールするため、1626(寛永3)年に行われた。参列者は各地の大名ら約9,000人に及び、3代将軍・徳川家光の先導で京都御所から二条城へ向かった。再現する行列は、可能な限り当時と同じルートで行われ、数百人規模を予定。

公取委 下請法違反でトヨタ子会社に勧告 部品の無償保管

公正取引委員会は、発注した自動車部品などを下請け業者に無償で保管させたとして、トヨタ自動車の子会社、トヨタ自動車東日本(本社」:宮城県)を下請法違反と認定し、再発防止を求める勧告を出した。 発表によると、トヨタ自動車東日本は遅くとも2023年8月以降、車の交換部品の製造を委託した下請け業者7社に対し、計777個の部品を納期を定めず、受け取らないまま無償で保管させていた。また、新たな発注」の見込みがないにもかかわらず、部品製造に必要な金型など計440個を下請け業者10社に長期間保管させていた。

26年産主食用コメ生産5%減見通し 増産から軌道修正か

農林水産省は主食用米の生産量を711万トンと見込む2026年産の需給見通しを公表した。
これは、コメのこれまでの公表数字から一転、大幅な増産となった2025年度の生産量見通し(748万トン)と比べると、約5%の減産となる。コメ不足を背景に政府備蓄米の放出措置を経て、緊急事態を収拾。増産に舵を切った石破前政権からの明らかな軌道修正となる。
食料・農業・農業政策審議会(農水相の諮問機関)の食糧部会で示したもの。