WTO 25年世界貿易量3.2㌽下落 米の高関税政策影響
世界貿易機関(WTO)は4月16日、2025年のモノの貿易量が前年比0.2%減となり、2年ぶりに減少するとする最新の世界貿易見通しを発表した。3.0%増になるとしていた2024年10月の前回予測から3.2ポイント大幅な下方修正となる。米国のトランプ大統領による高関税政策の影響で、世界各地で貿易が停滞すると見込んだ。
地域別では、北米では輸出が12.6%減、輸入は9.6%減といずれも大幅に落ち込むと予測した。米国と中国の貿易が減少する影響で、中国から北米以外の地域への輸出は4〜9%増加し、競争が激化すると指摘している。
今回の見通しは4月14日時点で実施されている措置に基づいて試算し、米国が一時停止している「相互関税」の上乗せ分の影響は含まれていない。
大阪大グループ iPS細胞から「ミニ肝臓」作製に成功
大阪大学などの研究グループは、人の細胞から本物と同じような内部構造を持つ0.5ミリほどの大きさの「ミニ肝臓」をつくり出すことに成功したと発表した。同グループの研究論文が科学誌「ネイチャー」に掲載された。
iPS細胞から肝臓の細胞を作製し、ビリルビンなど肝臓の働きに関わる物質を混ぜるなどして培養したところ、肝臓の細胞が3つの」層をつくって固まり、0.5ミリほどの大きさの立体的なミニ肝臓ができたという。
内部の3つの層は栄養分の合成や分解などそれぞれ別の役割を担っていて、このミニ肝臓を重い肝不全のラットに移植する実験では、1カ月後の生存率が50%余りとなり、3層構造ではないものを移植した場合と比べて高かったという。3層構造を実現したミニ肝臓は本物の肝臓のすべての機能を補うことができる可能性があり、様々な応用が期待される。