「核なき世界への取り組み強化」採択 第3回締約国会議

米国・ニューヨークの国連本部で開かれていた核兵器禁止条約の第3回締約国会議は3月7日、「核なき世界への」取り組みを強化する」との宣言を採択し、閉幕した。宣言では、ロシアの脅威にさらされる欧州で、フランスの核抑止力を拡大する構想が浮上したことなどを念頭に、「軍縮・不拡散体制が弱体化し、核兵器使用の危険性が高まっている」と懸念を表明。核保有国による「核抑止は人類の生存を脅かすものだ」と訴えた。 今回の会合には、米国の「核の傘」に守られている日本に加え、過去2回一部の国がオブザーバー参加していたNATO(北大西洋条約機構)加盟国が参加せず、核抑止力を巡る各国の立場の違いが鮮明となった。

悪質ホスト厳罰化 風営法改正案決定 売春要求など禁止

悪質なホストクラブへの罰則強化を盛り込んだ風俗営業法改正案が3月7日、閣議決定された。女性客の恋愛感情につけ込んだ高額請求や、借金返済のために売春や風俗店での勤務、アダルトビデオへの出演を要求することを禁じている。違反した場合は6月以下の拘禁刑か100万円以下の罰金を科す。改正案ではホストクラブ側の罰則も大幅に強化した。無許可営業した場合、運営法人への罰金は現行の200万円以下から、最大3億円に引き上げている。

仁徳天皇陵 考古学・歴史学学術団体G17人が立ち入り調査

世界文化遺産の一つで、宮内庁により「仁徳天皇陵」として管理されている大阪府堺市の大山古墳で3月7日、学術団体の研究グループによる立ち入り調査が行われた。同日は、考古学、歴史学などの研究者17人が参加した。 グループは2時間半にわたって墳丘全体を観察し、①前方部について、時期の推定は難しいものの、石積みが後世に整えられたこと②斜面に溝状の亀裂が入り、崩れている部分が多いことーーなどを確認できたとしている。大山古墳は5世紀前半に築造された大規模な前方後円墳。

高額療養費8月からの引き上げ見送り 予算案再修正へ

石破首相は3月7日、医療費が高額になった場合に患者の負担を抑える「高額療養費制度」について、今年8月からの自己負担上限額の引き上げを見送ると表明した。夏の参院選を控え、世論の理解を得られないと判断した。これにより、2025年度政府予算案の再修正が必要となった。 政府は当初、医療費の増大を受けて、今年8月から2027年8月にかけて3段階で自己負担の上限額を引き上げる方針だった。その後、患者団体や野党から批判の声が上がり、2回にわたって方針が修正されたが、今回は方針そのものの見送りに追い込まれた。同制度を巡る議論は全面的に仕切り直しとなる。

コスモエネHD 堺市に大規模SAF生産設備完成 4月から供給

コスモエネルギーホールディングスが大阪府堺市で建設を進めていた航空機の次世代燃料SAF(Sustainable Avietion Fuel)の大規模な生産設備が完成し3月6日、関係者らが出席して記念式典が開かれた。 この設備は飲食店や家庭で出た串カツやから揚げなどで使った廃油をタンクに貯蔵し、年間3万キロリットル、東京ーロンドン間を350回往復できる量のSAFを生産する能力がある。同社は来週から試運転を開始し、4月から航空機への供給を開始したいとしている。

東京 浅草寺仲見世 80年ぶり全面的な屋根の葺き替え

東京・浅草の観光名所、浅草寺の仲見世で80年ぶりに進められてきた全面的な屋根の葺き替え工事が8割ほど終わったため3月6日、赤褐色の真新しい銅板で覆われた屋根が報道陣に公開された。今回のような全面的な葺き替え工事は、1945年の東京大空襲で屋根の一部が焼失して以来となる。来週末で完了する同工事で、およそ2,100㎡の屋根を覆うため7,100枚の銅板が使われるという。 浅草寺の仲見世は土産物店や飲食店など87店が軒を連ねるが、ここ数年は雨漏りするなど屋根の老朽化が目立っていた。

「偉大な米国」目指す国が違法な侵略者に手を貸すのか

米国のトランプ大統領は3月4日、施政方針演説で「米国を再び偉大に」の自身のスローガンに沿った外交方針を打ち出した。歴代大統領とは全く一線を画し、自由貿易や法の支配などで国際秩序を守るといった意志は一切示さず、関税や威圧で他国を服従させようとする姿勢だけが目立った。そんなやり方が「米国を再び偉大に」するとはとても思えない。 停戦に向けたウクライナへの対応も然りだ。このままでは国際法を公然と破って他国を侵略するロシアに、米国が手を貸すことになる。トランプ氏がロシアのプーチン大統領の言いなりになったとの批判は免れないだろう。世界の人々は、そんな国を偉大な国とは誰ひとり認めないだろう。そして、トランプ氏のやり方は、米国が長い時間をかけて築いてきた国際的な信頼や地位をみすみす手放すことになり、ロシアだけでなく、抑え込みたいはずの中国を利するだけだ。そのことをトランプ氏は本当に分かっているのか。

マツダ 旗艦車種「マツダ6」の生産終了へ SUVを中核に

マツダは、同社のブランドを支えてきた旗艦車種の「マツダ6」の生産を近く終了する方針を明らかにした。マツダ6は現在、セダンとワゴンを展開しているが、ピークの2005年には27万台超を販売。全世界の累計販売台数は404万台以上に達している。今回の方針表明により、マツダ6のおよそ23年の歴史に幕を下ろす。これは、世界的に人気のSUV(スポーツ用多目的車)を中核に据える戦略の一環で、経営資源を集中させることが狙い。

東北新幹線また走行中に連結器外れ停車 原因究明の徹底を

JR東日本が運営する東京発新青森・秋田行きの、走行中の東北新幹線「はやぶさ・こまち21号」に3月6日、連結器が外れ、緊急停止するトラブルがあった。乗客640人にケガはなかったが、多数の新幹線に運休や遅れが生じ、約15万人に影響が出た。 この「はやぶさ・こまち」は昨年9月にも走行中に連結器が外れるトラブルがあった。半年の間に同じトラブルが2度も発生。これでは前回の調査、そして原因究明が甘かったといわれても仕方あるまい。多くの乗客を高速で輸送する新幹線が走行中に突然分離することなど、あってはならない。一歩間違えば、大事故に繋がりかねない。 日本の鉄道の技術力は、世界に高く評価されている。とりわけ新幹線については運行管理面を含めて突出している。そんな評価にあぐらをかいてはいないか、慢心はないか。効率やコスト優先で、現場に無理やしわ寄せが生じていないか。鉄道の生命線の安全のため、今度こそ徹底した原因究明に時間をかけ、再発防止に努めることが強く求められる。 同社は8日、当初9日までとしていたはやぶさ・こまち連結者の運転取りやめを14日まで延長すると発表した。

政府 洋上風力発電 EEZ内まで設置拡大 改正案を閣議決定 

政府は3月7日、洋上風力発電の施設設置が可能な海域を現行の領海内から排他的経済水域(EEZ)内まで広げる再生可能エネルギー海域利用法の改正案を閣議決定した。四方を海に囲まれた日本の特性を生かし、洋上風力発電の導入拡大につなげようというもの。ただ、EEZ内では着床式ではなく、風車を浮かべるため深い海域にも設置できる浮体式が主流になる見通し。