「偉大な米国」目指す国が違法な侵略者に手を貸すのか
米国のトランプ大統領は3月4日、施政方針演説で「米国を再び偉大に」の自身のスローガンに沿った外交方針を打ち出した。歴代大統領とは全く一線を画し、自由貿易や法の支配などで国際秩序を守るといった意志は一切示さず、関税や威圧で他国を服従させようとする姿勢だけが目立った。そんなやり方が「米国を再び偉大に」するとはとても思えない。
停戦に向けたウクライナへの対応も然りだ。このままでは国際法を公然と破って他国を侵略するロシアに、米国が手を貸すことになる。トランプ氏がロシアのプーチン大統領の言いなりになったとの批判は免れないだろう。世界の人々は、そんな国を偉大な国とは誰ひとり認めないだろう。そして、トランプ氏のやり方は、米国が長い時間をかけて築いてきた国際的な信頼や地位をみすみす手放すことになり、ロシアだけでなく、抑え込みたいはずの中国を利するだけだ。そのことをトランプ氏は本当に分かっているのか。
東北新幹線また走行中に連結器外れ停車 原因究明の徹底を
JR東日本が運営する東京発新青森・秋田行きの、走行中の東北新幹線「はやぶさ・こまち21号」に3月6日、連結器が外れ、緊急停止するトラブルがあった。乗客640人にケガはなかったが、多数の新幹線に運休や遅れが生じ、約15万人に影響が出た。
この「はやぶさ・こまち」は昨年9月にも走行中に連結器が外れるトラブルがあった。半年の間に同じトラブルが2度も発生。これでは前回の調査、そして原因究明が甘かったといわれても仕方あるまい。多くの乗客を高速で輸送する新幹線が走行中に突然分離することなど、あってはならない。一歩間違えば、大事故に繋がりかねない。
日本の鉄道の技術力は、世界に高く評価されている。とりわけ新幹線については運行管理面を含めて突出している。そんな評価にあぐらをかいてはいないか、慢心はないか。効率やコスト優先で、現場に無理やしわ寄せが生じていないか。鉄道の生命線の安全のため、今度こそ徹底した原因究明に時間をかけ、再発防止に努めることが強く求められる。
同社は8日、当初9日までとしていたはやぶさ・こまち連結者の運転取りやめを14日まで延長すると発表した。
セブン 新社長発表 米事業上場計画など自力で価値向上へ
セブン&アイ・ホールディングス(HD)は3月6日、井阪隆一社長(67)の退任、社外取締役のスティーブン・ヘイズ・デイカス氏(64)を後任に充てる人事を発表した。人事は5月27日付。
同社はカナダのコンビニエンスストア大手、アリマンタシフォン・ㇰシュタールから買収提案を受けており、新体制のもとで自力での企業価値向上を目指す方針を明らかにした。
企業価値向上策は①主力の米国コンビニ事業について、2026年下半期までに米国で株式上場を目指す②祖業であるイトーヨーカ堂などを集約した中間持ち株会社「ヨークHD」を米投資ファンド、ベインキャピタルに8,147億円で売却する。ただ、セブン&アイは売却後も35%の株式を保有し、一定の関与を続ける③セブン銀行について、2025年度中に株式の保有比率を40%未満に引き下げ、連結対象から外す④上場液や事業売却益は自社株買いに充て、2030年度までに総額2兆円の自社株買いを実施する。
東日本大震災14年「震災」関連倒産累計2,064件 24年16件
2011年3月11日。未曾有の被害をもたらした東日本大震災から14年を迎える。東京商工リサーチのまとめによると、震災が一因の関連倒産は2011年に544件発生。その後も2012年490件、2013年333件と高水準で推移したが、2014年に175件に減少。2022年まで逓減傾向をたどり底打ち。2024年は16件にとどまり、初めて20件を下回った。
都道府県別では、最多は東京の594件。次いで宮城224件、福島99件、岩手97件、北海道85件、茨城84件、神奈川83件、千葉77件、福岡71件、栃木64件と、島根を除いた46都道府県に広がっている。
産業別ではサービス業ほか541件(構成比26.2%)が最多。このうち宿泊業126件と飲食店97件が4割(同41.2%)を占める。次いで製造業484件(同23.4%)、卸売業381件(同18.4%)、建設業235件(同11.3%)、小売業196件(同9.4%)、運輸業88件、情報通信業67件などと続く。