日産 国内外7工場閉鎖, 2万人削減へ 最終赤字6,708億円
日産自動車は5月13日、2027年度までに日本を含む世界で7工場を閉鎖し、連結従業員の15%にあたる2万人を削減するリストラ策を公表した。
世界に17ある完成車工場のうち、7工場を閉鎖し、計10工場に集約する。具体的な工場名は明らかにしていないが、国内の完成車工場も検討対象に入っている。これにより、中国を除く世界での年間生産能力は300万台から250万台に削減される。
27年度までの人員削減は、発表済みの9,000人から2万人に上乗せした。内訳は車両生産に従事する生産部門で65%、営業や人事などの一般管理部門で18%、研究開発部門で17%。同社の連結従業員数は2024年3月期で13万3,580人。国内従業員も対象となる。
同日公表した2025年3月期連結決算は最終利益が6,708億円の赤字(前期は4,266億円の黒字)で、比較可能な1986年3月期以降、過去3番目の赤字額となった。2026年3月期の業績予想では、米国の関税措置の影響が営業利益を最大4,500億円下押しする可能性があり、業績をさらに悪化させる懸念もある。
26年度にも出産費用無償化へ大筋了承 厚労省
孤立死2万1,856人, 無縁遺体4万1,969人 高齢社会の現実
孤立死2万1,856人、引き取り手のない遺体4万1,969人、これが避けて通れない、日本が直面する高齢社会の現実だ。今回、国として初めて孤立死の人数を推計した。内閣府の推計によると、2024年に自宅で一人暮らしの人で死後8日以上経過して発見された、いわゆる「孤立死」は2万1,856人。また、厚生労働省の推計によると、2023年度に引き取り手がなく自治体が火葬などした遺体は4万1,969人で、2023年の全死亡者数の2.7%にあたる。
孤立死2万1,856人を年齢別にみると、80代以上4,207人、70代8,321人、60代5,409人、50代2,740人、40代以下1,046人となっている。予想外に70代が最多となっているほか、60代以上が全体の82%を占めている。今回の推計数で注目されたのが、孤立死・孤独死が単身高齢者に限らず、数では中高年層に比べ少ないが、20代・30代の間でも近年、増えてきていることだ。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2050年には全5,261万世帯の44.3%にあたる2,330万世帯が単身世帯となる。しかも65歳以上で一人暮らしの男性のうち未婚者の割合は約6割と見込まれている。これが現実化すれば、冒頭に記した孤立死や引き取り手のない遺体が増え続けることになる。
人生100年時代、誰しも高齢になっても心豊かな暮らしを願うが、「煩わしいから」と地域との関わりを簡単に途絶しては、孤立死や無縁遺体”予備軍”になるリスクが高まることを肝に命じることだ。国として、自治体として早急な対策が求められる。