日産 北九州市 EV電池工場建設断念 業績不振, 市場鈍化で

日産自動車(本社:横浜市西区)は5月9日、北九州市で計画していた電気自動車(EV)向け電池工場の建設を断念すると発表した。業績不振やEV市場の成長鈍化で、投資に見合う利益を得られないと判断した。 日産の計画では、1,533円を投じて15万㎡の敷地に新型のLFP(リン酸鉄リチウムイオン)電池工場を建設、2028年の稼働を見込んでいた。新型電池は、従来のリチウムイオン電池に必要なレアメタルを使わずに製造できる。これにより3割のコスト減につなげ、次世代EVに搭載する考えだった。 同社は1月に地元自治体と立地協定を締結したばかりで、経済産業省はこの計画に最大557億円の補助金を出す方針だったが、9日に認定を取り消した。

大阪IR「MGM 大阪」へ ブランド力で世界最高のIR実現

国内初のカジノを中核とした統合型リゾート(IR)の事業会社「大阪IR」は5月9日、社名を「MGM 大阪」に変更すると発表した。変更は1日付。米リゾート大手、MGMリゾーツ・インターナショナルのIR開発・運営の知見をはじめとするブランド力を活用し、大阪で世界最高水準のIRの実現を目指すとしている。 大阪IRには、MGMの日本法人とオリックスが約41%ずつ出資し、パナソニックホールディングスや鉄道大手など、関西を中心に22社が残りを出資している。社名変更後もこの出資比率は変わらない。 大阪でのIRは2030年秋ごろの開業を目指しており、年間2,000万人の来訪と、約5,200億円の売り上げを見込む。

「高槻ジャズストリート」来年も存続へ CF目標額クリア

大阪・高槻市の音楽イベント「高槻ジャズストリート」を主催する実行委員会が、イベントを存続させるために支援金を募っていたクラウドファンディング(CF)で、目標額の750万円を上回る911万5,000円(1,020人)が5月7日までに集まった。資金難で今年限りで、存続が危ぶまれていたが、来年も開催できる見通しとなった。 これは例年、5月の連休2,3日間にわたり、スタート間もない頃は高槻市内の数カ所で1日に複数回行われた、ライブでジャズ演奏を楽しむイベント。1999年の初回から入場無料で行われ、経費はTシャツの売り上げなどで賄ってきた。しかし、昨年は物価高騰などで約750万円の赤字となり、支援金が目標額に届かなければ終了も検討されていた。

インド・パキスタン即時停戦合意 攻撃の応酬から一転

インドとパキスタンの両政府は5月10日、攻撃の応酬から一転、即時停戦で合意したと発表した。インド・パキスタン両軍の最高幹部が電話会談し、停戦で合意したと明らかにした。米国のトランプ政権はこの2日間、バンス副大統領とルビオ国務長官が紛争回避に向け、インドのナレンドラ・モディ首相、パキスタンのシャバズ・シャリフ首相らと会談を重ねていた。双方が陸海空すべてで発砲と軍事行動を停止するという。

欧州4首脳 露に5/12から30日間停戦要求 拒否なら制裁

英国、フランス、ドイツとポーランドの欧州4首脳は5月10日、ウクライナの首都キーウを訪れ、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。その結果、米国の監視下で30日間の無条件停戦を12日から始めるようロシアに要求し、応じない場合は制裁を強化する方針で一致した。スターマー英首相、マクロンフランス大統領、メルツドイツ首相、ポーランドのドナルド・トゥスク首相とゼレンスキーの5人の会談に続き、トランプ大統領と電話で協議した。

気象庁 ”黒潮大蛇行 終息に向かいつつある” 7年9カ月の湾曲

気象庁は5月9日、2017年8月から続いていた、黒潮の流れが大きく湾曲する「黒潮大蛇行」と呼ばれる現象がようやく終息に向かいつつあると発表した。ただ、終息までにはさらに3カ月ほどかかる見通しだという。船舶や衛星による観測などから元の流れに戻りつつあるという。 黒潮は、日本の南岸を列島に沿うように北東へ流れる暖流で、2017年8月、紀伊半島から東海地方にかけての沖合で南に大きく湾曲する流れに変わった。以降、7年9カ月にわたりこの現象が続いていた。

パナソニックHD 1万人削減 構造改革で国内外スリム化

パナソニックホールディングス(HD)は5月9日、希望退職などで1万人規模の人員削減を実施すると発表した。 人員削減は主に2026年3月期に実施。対象はグループ全体の従業員で、国内5,000人、海外5,000人を想定する。パナソニックHDの連結従業員数は2025年3月末時点で20万7,548人で、削減規模は全体の5%弱に相当。総務や人事など間接部門が肥大化し、固定費の負担が業績を圧迫していることから構造改革の一環として、組織のスリム化を図る。 一連の構造改革で計1,500億円以上の利益改善を目指す。主要なものとして、①人員削減による利益面の改善効果は700億円②家電などを手掛けるパナソニックの分割・再編で330億円③不採算事業からの撤退や拠点統廃合420億円ーーなどを見込む。 構造改革に加え、車載電池事業など注力事業の収益性を向上させることで、2029年3月期までに利益面で3,000億円以上の改善を図るとしている。

トランプ氏の暴言, その都度 事実誤認を正し協力深化を

健全な日米安保体制の堅持と協力強化に向け、敢えて日本政府に言いたい。トランプ米大統領は両国政府の首脳が構築してきた日米関係の到達点、現実を十分把握しないまま、あるいは曲解しているのかといった発言が目立つ。 例えば、トランプ氏は「我々は数千億ドルを支払って日本を守るが、彼ら(日本)は何も払わない」などという。この主張は明らかに間違っている。日米同盟の根幹である日米安保条約は、米国の対日防衛義務を定める一方、日本は米国に基地を提供している。また日米地位協定では、在日米軍基地の地代などを除いた駐留経費、米国側が賄うと定めている。だが、1970年代に米国側が日本に一層の負担増を求めてきたことから、その後、別の協定を結んで日本側の支出を増やした経緯がある。その結果、2022年度から5年間の在日米軍駐留経費の日本側負担は1兆円超に上っている。こうして両国は納得して合意し、その義務のバランスは取れているはずなのだ。 ところが、トランプ氏は折に触れて事実誤認や、明らかに認識不足の発言を口にする。本来、同盟関係にある国同士なら、首脳のこんな発言は許されないはずだ。やはりトランプ氏は別なのだとすれば、そうした発言があるごとに、きちんと「大統領の発言は間違っていますよ」と繰り返し説明。場合によってはきちんとレクチャーすることが必要なのではないか。そのうえで、本来あるべき日米の防衛協力を深めていくことが急務だ。 これは何もけんか腰でいうのではなく、お互いに安定的かつ発展的に”ウイン・ウイン”の関係を構築するために、本音で言うべきことは言い、不承知のときは”NO”と言える関係でなくてはならない。繰り返すが、とくにトランプ氏の場合、不可思議な発言が重なったら、「一つ一つ指摘すれば角が立つ」などとためらわず、訂正を求めるべきだ。

任天堂「スイッチ2」初年度販売1,500万台目標

任天堂は5月8日、6月に発売する新型家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ2」の販売目標を軸とする2026年3月期の業績予想を発表した。スイッチ2の販売目標台数を、現行機のスイッチの初年度販売実績(1,505万台)並みの1,500万台とする。スイッチ2は現行機より約3割画面が大きく、遠隔地のプレーヤーと会話できる「ゲームチャット機能」などが追加されている。スイッチ2のソフトは4,500万本の販売を目指している。専用ソフトとして「マリオカート」「星のカービィ」など人気タイトルの新作を発売し、本体の販売につなげる。 スイッチ2の発売効果で、売上高は前期比63.1%増の1兆9,000億円、最終利益は7.6%増の3,000億円を見込む。

村田製作所 ベトナムに車載機器向けコイルの新工場棟

村田製作所(本社:京都府長岡京市)は5月8日、ベトナム・ホーチミン市近郊の現地法人の工場内に約30億円を投じて新棟を建設すると発表した。車載用電子機器内で、電気の流れを安定させるコイルを製造する。2026年4〜9月期の完成を目指す。新棟は3階建てで、延床面積は約1万㎡。