食品3社が15年7月から賞味期限「年月」表示に
味の素、キューピー、サントリー食品インターナショナルの食品3社は、一部加工食品の賞味期限の表示を「年月日」から「年月」に変更する。カップスープや調味料など賞味期限が1年以上ある食品が対象で、2015年7月にも売り出す来秋の新商品から改める。賞味期限が1日過ぎただけで撤去されるムダをなくし、食品廃棄を減らす。
豚肉卸値28年ぶり高値家畜感染症の広がりで
国内外で家畜感染症の豚流行性下痢(PED)による被害が広がっているため、食肉で消費量の最も多い豚肉が値上がりしている。国産卸値は前年同期に比べ3割以上上がり28年ぶりの高値。米国産も2割程度上昇している。
国産豚肉は東京食肉市場(東京都港区)の6月の平均価格が1㌔当たり666円で前年同月に比べて34%上がった。2013年夏の猛暑の影響で出産頭数が減少。14年春から感染症が広がり、子豚を中心に全国で30万頭以上が死んだため、出荷頭数が減っている。
米国産豚肉も値上がりし、人気のあるロースの卸価格1㌔当たり700円台前半だ。米国でも同様の感染症が広がっているためだ。欧州産も「豚コレラ」といわれる別の感染症の影響などで値上がりしている。
都内のスーパーなどでは売り物にしていた100㌘98円の特売が減っている。品薄の豚肉を補うため牛肉や鶏肉の仕入れを増やすスーパーも多い。ただ、牛肉も卸値は高値圏で売り場づくりには苦労している。
神戸瑞穂本舗 冷凍パスタ輸出拡大 引き合い増
製麺卸売りの神戸瑞穂本舗(神戸市)は、冷凍パスタ麺(フローズン・フレッシュ・パスタ)の輸出を拡大する。8月から中国やマレーシアに順次輸出を始めるほか、2015年1月には米食品スーパー最大手のクローガーにも供給する。商社を通さない直接取引を軸にコストを圧縮する。北米市場では15年に1000万食の販売を見込む。
同社は12年から米国の日系スーパー、オーストラリアや東南アジアに輸出を始めた。製法の工夫でモチモチした食感を実現したという。ゆで時間が約10秒と短く、レンジでも加熱できる利便性から海外からの引き合いが増えている。米国、韓国の加工食品メーカーに技術供与し、現地生産も計画する。
車上狙い増加 大阪4年ぶり1万4000件ペース
大阪府内で今年に入り車上狙いの被害が増加傾向をみせている。2001年をピークに減少したが、2014年1~5月の認知件数は6197件と前年同期(4976件)の1.2倍となった。買い物などで車を離れたわずかな隙に被害に遭うケースが多く、窓ガラスを叩き割るなど手荒な犯行も目立つ。
取り締まり強化などで年間の認知件数は01年の6万3820件をピークに、13年には1万3442件まで減少したが、今年はこのままのペースで増加すると4年ぶりに1万4000件を超えそうだ。
今年1~3月の被害を場所別にみると、「コインパーキング」が全体の22.1%、店舗の駐車場など「その他駐車場」が25.4%を占めた。カバンなどが盗まれたケースを分析すると、駐車後「3時間未満」の被害が32%に及ぶ。被害品はカバンや財布が36.5%と最多。電動工具類(24%)、カーナビ(7.5%)と続く。
BDH社がエコ農法による養殖ウナギを日本で販売
インドネシア貿易振興センター(ITPC)および在大阪インドネシア共和国総領事館は、オーシャンパートナーズ(大阪市西区)の後援により7月2日、ITPC(大阪市中央区)の新事務所で、PT.Bintangdelapan Holtikultura(BDH)社のインドネシア産養殖ウナギのプロモーションイベントを開催した。
BDH社は、インドネシアで「農業廃棄物のリサイクル」をコンセプトとした「アイフォニックス」(養殖と農業を融合させた循環農法)という独自のユニークなエコ農法により、安全なビカーラ種ウナギ(蒲焼き)と野菜(トマト、カボチャ、キュウリ、ショウガ、アスパラガス、マッシュルーム、ティラピアなど)づくりをスタートさせている。
BDH社は、ニホンウナギが絶滅危惧種に指定され、また世界で食の安全が叫ばれる中、ハイテク農業・養殖技術で、中国産をはじめとする一般的な養殖とは一線を画す安全・安心な製品であることを前面に出し強くアピール。
すでにマレーシア、フィリピン、台湾から引き合いがあるが、当面日本向けに絞り込み製品供給する方針だ。9月ごろから出荷し、年内に蒲焼きの製品重量で30㌧程度を供給する予定。また、2015年1月からは月50㌧、16年には同100㌧規模へ拡販する計画だ。
農産物直売所の機能を充実 京都府が助成制度
京都府は府内の農産物直売所の機能を充実するための助成制度を新設し、今秋にも助成対象の直売所の募集を始める。飲食スペースや調理体験施設を導入する際、経費の半額を補助する。直売所の魅力を高めて集客力を増し、京野菜を中心とした地域産品のブランド力向上に生かす。
訪れた客が野菜などを使った料理を飲食できる机や椅子、手洗い場を設けたり、調理体験用のコンロや包丁などを導入したりするのに必要な経費を上限200万円で助成する。POS(販売時点情報管理)導入や、近隣の農地での収穫体験イベントに必要な農具などの購入費用も対象。今年度は5件程度を助成対象とする。
府内には2012年度時点で直売所が460あるが、5年間で4%減少。ただ、新鮮で味が良い野菜を求める顧客は増えており、12年度の販売額は39億円と同5割増えた。
国産大豆9年ぶり高値 逆風の豆腐・納豆業界
国産大豆が9年ぶりの高値圏に上がり、原料とする豆腐・納豆メーカーが販売価格への転嫁が進まない中、新製品の開発や調達方法の見直しなど様々な試みで生き残りを図りつつある。
2013年産大豆は天候不順で前年から15%生産が減った。日本特産農産物協会(東京都港区)の落札価格は6月平均が60㌔当たり1万7972円と9年ぶり高値圏だ。国産は食品用大豆の25%を占め、価格は輸入品の約2倍。それでも国産の方が味が良く、含まれるたんぱく質の量も多い。国産を使う商品は品質がよいとのイメージも消費者に定着。新商品の多くは国産を使う。
厚生労働省によると、03~12年度の間に豆腐業界は35%、納豆業界では14%の事業者が廃業したとみられる。