香港で淡路産タマネギ販促フェア 兵庫県など
兵庫県とあわじ島農業協同組合(JAあわじ島、兵庫県南あわじ市)は7月8日まで香港のスーパー、イオンで「淡路島たまねぎ」の販促フェアを実施する。イオンストアーズ香港の4店で販促や試食販売などを実施する。6月下旬から始まった輸出で、販売が好調なことから一段のブランド浸透を図る。
販促フェアは香港島のコーンヒル店など富裕層の来店が多い売り上げ上位の4店で実施。県の香港経済交流事務所も連携。サラダやソテー、タマネギ加工品の試食販売などを予定。
農産物直売所の機能を充実 京都府が助成制度
京都府は府内の農産物直売所の機能を充実するための助成制度を新設し、今秋にも助成対象の直売所の募集を始める。飲食スペースや調理体験施設を導入する際、経費の半額を補助する。直売所の魅力を高めて集客力を増し、京野菜を中心とした地域産品のブランド力向上に生かす。
訪れた客が野菜などを使った料理を飲食できる机や椅子、手洗い場を設けたり、調理体験用のコンロや包丁などを導入したりするのに必要な経費を上限200万円で助成する。POS(販売時点情報管理)導入や、近隣の農地での収穫体験イベントに必要な農具などの購入費用も対象。今年度は5件程度を助成対象とする。
府内には2012年度時点で直売所が460あるが、5年間で4%減少。ただ、新鮮で味が良い野菜を求める顧客は増えており、12年度の販売額は39億円と同5割増えた。
国産大豆9年ぶり高値 逆風の豆腐・納豆業界
国産大豆が9年ぶりの高値圏に上がり、原料とする豆腐・納豆メーカーが販売価格への転嫁が進まない中、新製品の開発や調達方法の見直しなど様々な試みで生き残りを図りつつある。
2013年産大豆は天候不順で前年から15%生産が減った。日本特産農産物協会(東京都港区)の落札価格は6月平均が60㌔当たり1万7972円と9年ぶり高値圏だ。国産は食品用大豆の25%を占め、価格は輸入品の約2倍。それでも国産の方が味が良く、含まれるたんぱく質の量も多い。国産を使う商品は品質がよいとのイメージも消費者に定着。新商品の多くは国産を使う。
厚生労働省によると、03~12年度の間に豆腐業界は35%、納豆業界では14%の事業者が廃業したとみられる。
三菱樹脂 中国・無錫市に合弁で植物工場の販売拠点
三菱樹脂は7月3日、同社の子会社で太陽光利用型植物工場を展開する三菱樹脂アグリドリーム(東京都中央区)が、中国江蘇省無錫市に合弁で中国の販売拠点となる「無錫菱陽生態農業設施科技有限公司」を設立したと発表した。合弁相手は江蘇省を中心に展開する農業協同組合、チャイナコープの子会社の無錫市三陽生態農業発展有限公司。
同社は」チャイナコープと共同で2011年11月、今回の合弁先に太陽光利用型植物工場の実証設備(1000平方㍍)を建設し、栽培試験と現地スーパーでの販売を通じたマーケティングを進めてきた。その結果、中国において食の安全・安心に対する意識の高まりを背景に、植物工場で栽培する無農薬野菜に対するニーズを確認し、植物工場の事業採算が見込めると判断した。
日本で長年培ってきた植物工場の栽培ノウハウと、チャイナコープの幅広い販売ネットワークや農業関係者の信頼を有効に活用し、沿岸部から内陸部まで中国全土を対象として事業展開を図り、2017年までに合計50カ所の販売目標を掲げている。
ウナギの卸値2割安 稚魚の漁獲量回復で先安予想
7月29日の土用の丑(うし)を前に、ウナギの取引価格が下がっている。愛知県など主産地の卸値はこの1カ月間で2割下げた。2013年末から今年春にかけ養殖に使う稚魚(シラスウナギ)の漁獲量が、過去4年の不漁から一転、回復。先安を予想して、成長途中の細いウナギを出荷する動きが強まっている。
値下がりの中心となっているのが、1匹200㌘前後の細いウナギ。主産地の卸値は現在1㌔4200円程度。取引価格は新物が出回り始めた5月下旬から下げに転じた。需要のピークにあたる土用の丑に向け価格が上がるの例年のパターン。ところが、今年は余剰感から値下がりが進むのを恐れた養殖業者が細物の出荷を急いだ結果、例年とは大きく異なる値動きをみせている。
クジラ・サメ“食”文化の伝統を残す取り組み活発化
東日本大震災で被災した東北地方で、「鯨(クジラ)シューマイ」「ふかひれ丼」など、クジラやサメを使う食産業を残す取り組みが活発になっている。クジラは周知の通り、国際司法裁判所が日本の南極海での調査捕鯨を停止するよう命じ、サメも乱獲懸念からフカヒレを使わない事業者が増加する事態となっている。だが、宮城県石巻市、気仙沼市、青森県八戸市など漁業や加工の事業者が独自文化の灯を消すまいと奔走している。
木の屋石巻水産(宮城県石巻市)は復旧した新工場で、鯨肉を入れたシューマイなど新商品の生産を計画する。主力商品は鯨肉の缶詰。商業捕鯨時代は大手水産加工会社の工場が集積していた石巻。その工場はいま激減し、そのころの面影はないが、様々なクジラ文化が残っている。国産だけでなく、輸入肉も使い価格を抑え、食文化を受け継ぐ。
「くじら汁」を食べる文化が残る青森県八戸市では、NPO法人「海の八戸NPO」は秋冬のくじら汁のシーズンに向け飲食店に掲げてもらう旗をつくる。観光客に通常メニューでくじら汁を提供する店が少ないため、旗をつくることで提供する店を増やすのが狙いだ
宮城県気仙沼市では、市内のすし店で「ふかひれ丼」の提供を本格的に始めた。すし店の組合が企画し、市内の加工業者が支援する。サメ肉団子を入れたお吸い物を付けるなどフカヒレ以外の部位を使う料理も提案する。
商店街が抱える課題解決の知恵 大阪府が募集
大阪府は空き店舗対策など府内の商店街が抱える課題の解決へ民間の知恵を生かすため、7月16日に公開審査を実施する。第1次審査を通過した8企業・団体が会場で提案内容を説明し、有識者ら審査員と傍聴する一般参加者に採点してもらう。4件程度を選んで年度内に事業化する。
府は空き店舗の有効活用と、地域コミュニティーの担い手としての機能充実という2つのテーマで提案を募集。6月20日までに16件の提案があった。書類審査の結果、8件の提案が残った。公開審査は16日、ホテルアウィーナ大阪(大阪市天王寺区)で開き、傍聴者100人を募集している。参加は無料。優秀案に選ばれた企業・団体は府が委託契約を結び、1件当たり上限270万円の委託料を出す。年度内にアイデアを実践し、2015年3月に成果を発表してもらう。