「産地の動向」カテゴリーアーカイブ

JFEエンジ 植物工場「スマートアグリプラント」に温泉熱

JFEエンジ 植物工場「スマートアグリプラント」に温泉熱

JFEエンジニアリングは1月30日、北海道苫小牧市にある植物工場「スマートアグリプラント」を拡張すると発表した。現在の2つの植物工場に加え、第3工場を6月に着工する。暖房用の熱源として温泉熱を利用するため、温泉の掘削を同日始めた。温泉の掘削と第3工場の建設で8億円強を投資する予定。同社のスマートアグリプラントは2014年8月に事業を開始。天然ガスの供給を受け、ガスエンジンで電力、温水、排ガス(二酸化炭素)の3つの植物工場に供給するしくみを持つ。

水田に太陽光設備併設 事業化視野に佐賀市で実証実験

水田に太陽光設備併設  事業化視野に佐賀市で実証実験

福永博建築研究所(福岡市中央区)は4月、佐賀市三瀬地区でコメと電気の”二毛作”実証実験を始める。農地の地上約3㍍の空間に太陽光発電システムのパネルを約60枚設置して発電する。パネルの角度や隙間を調整し、最低限の日照時間を確保する。コメなどの作物の生育は妨げない。同様の実験は全国でも珍しい。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の共同実証実験は広さ約1400平方㍍の農地で行う。

秋田県で漢方の薬草栽培の動き広がる 米価下落で転作

秋田県で漢方の薬草栽培の動き広がる 米価下落で転作

秋田県内で休耕田を活用した、漢方薬原料の薬用植物を栽培する動きが広がっている。主な原料調達先を中国から国内へと変更したい漢方薬メーカーと、米価下落などの逆風下での生き残りをかける農家側の思惑が一致。農家は生産組合を組織して薬草栽培のノウハウを共有するなど高収益の農業経営を模索する。

秋田県内で栽培している主な薬用植物は芍薬(シャクヤク、仙北市)、トウキ(羽後町)、甘草(カンゾウ、美郷町)、カミツレ、ウイキョウ(八峰町)など。羽後町では2012年12月、35軒の農家が集まり、薬草生産組合を発足。3㌶で婦人病などに効く漢方薬の原料となるトウキを栽培し、14年秋には初収穫を終えた。単位面積当たりの売り上げは稲作の1.5倍以上という。

無農薬栽培のため手間がかかり、農機改造などの初期投資も必要になるなど課題もあるが、14年末に開いた新規加入の農家を募る説明会には約90人が出席。栽培や加工方法、採算性などの説明に聞き入った。生産組合では説明会出席者の半数は組合に入ってくれるのではないかと手応えの良さを感じている。

生産者にとって何よりも心強いのは需要が確実に見込めることだ。国内漢方薬メーカーの主な原料調達先は中国だが、品質や供給の安定に問題があり、さらに円安でコスト高になってきている。同組合はメーカー側から栽培面積を30㌶に増やすよう求められている。仙北市でも14年春に生産組合が発足。2㌶で芍薬などを栽培している。

栃木県がイチゴ新品種「スカイベリー」を育成

栃木県がイチゴ新品種「スカイベリー」を育成

栃木県は「とちおとめ」と並ぶ県産イチゴにと意気込む新品種「スカイベリー」を育成した。スカイベリーは開発に17年かけ、育成で選び抜いた株は10万株以上に及ぶという。栃木県は収穫量が年2万6000㌧と、全国ナンバーワンのイチゴ産。スカイベリーは1粒の重量が25㌘以上と大きく、中には60㌘の超特大の実も。高級イチゴのブランド確立に向けて、県として大々的にPRしていく考えだ。

高機能タマネギ 16年度約3倍に生産拡大 植物育種研

高機能タマネギ  16年度約3倍に生産拡大 植物育種研

植物育種研究所(北海道栗山町)は、健康機能性成分のケルセチンが一般品種より1.5~3倍多い高機能タマネギ「さらさらレッド」の生産を拡大する。契約農家と共同で畑の栽培面積を増やし、生産量を2014年度の180㌧から16年度は約3倍の500㌧を狙う。ケルセチンが多く含まれる特徴を生かし、差別化メニューの食材として外食企業やコンビニエンスストアに拡販する。

 

トマト6次産業化ファンド第1号に「里山アグリ」決定

 トマト6次産業化ファンド第1号に「里山アグリ」決定

トマト銀行、みずほ銀行、農林漁業成長産業化支援機構、トマトリース、みずほキャピタルなどが出資し、2014年1月に設立したトマト6次産業化応援ファンドはこのほど、岡山県倉敷市の里山アグリに1000万円を出資することを決めた。同ファンド第1号案件となる。里山アグリは、古民家を再生した和風カフェレストラン「憩い処   北房ほたる庵」(真庭市)の運営や、トマトジャムなどの加工品の製造・販売を手掛けている。

ボイラーの廃熱利用しウナギ養殖 栃木県那珂川町

ボイラーの廃熱利用しウナギ養殖  栃木県那珂川町

栃木県那珂川町の商業者らで構成する「那珂川町地域資源活性化研究会」(那珂川町)は、木材を乾燥させるボイラーの廃熱を使った、温水で養殖したウナギの出荷を2015年秋に開始する。製材大手のトーセン(矢板市)の関連工場内にある養殖場での育成に成功した。初年度は12㌧のい出荷を目指す。地域の新たな特産品として売り出したい考え。

養殖場での育成は1年ほど前から実証実験を始め、このほど6~8か月で1匹200㌘まで育てる養殖技術を確立した。ボイラーの廃熱をパイプを通して養殖場に送り込むことで水温を年間を通じて28~30度に保つことができる。養殖業の新設などに県の「フードバレーとちぎ農商工ファンド」の助成金420万円を活用した。

無農薬・無化学肥料のコメ使用の純米酒 JA越前たけふ

無農薬・無化学肥料のコメ使用の純米酒  JA越前たけふ

福井県越前市のJA越前たけふは、越前市白山、坂口を中心に行われている無農薬・無化学肥料の「コウノトリ呼び戻す農法」による米を使った純米吟醸酒「かたかた」を12月15日から販売すると発表した。年賀式など祝いの席で飲んでもらいたいとしている。720㌔㍑で税込み2160円、限定900本を販売する。

同地区では農法のPRのため、同JAは市と連携して昨年に続き生産。農事組合法人「まっきーの杜」などが白山地区の約2500平方㍍に作付し、9月上旬に収穫した酒米「五百万石」を100%使用した。同市余田町の片山酒造が醸造した。「かたかた」の名称は、コウノトリが求愛などの際にくちばしを鳴らす音をイメージしたという。

 

青臭さない大豆の新品種「こがねさやか」育成 農研機構

青臭さない大豆の新品種「こがねさやか」育成 農研機構

農研機構近畿中国四国農業研究センターは、豆腐屋投入、しょうゆ、みそなど多様な加工製品の原料に適した大豆新品種「こがねさやか」を育成した。種子中の酵素リポキンゲナーゼを品種改良によって欠失させたのが特徴で、通常の豆腐や豆乳にしたときの気になる青臭さのない、おいしい商品を製造できる。中粒でたんぱく質の含有率も高いため、しょうゆの原料にも向く。2015年から兵庫県たつの市と近郊で、地場産のしょうゆ原料として、従来品種の「タマホマレ」に替えて栽培される予定。

 

福島で最大級の営農型太陽光発電施設が完成

福島で最大級の営農型太陽光発電施設が完成

福島県いわき市の農業生産法人「とまとランドいわき」が、同市の農地に建設した営農型太陽光発電施設の完工式がこのほど行われた。太陽を追尾してパネルの向きを変える機能を備え、出力は412㌔㍗。耕作を続けながら発電できる営農型の施設としては国内最大級という。約1万5000平方㍍の農地に計1875枚の太陽光パネルを設置した。