「産地の動向」カテゴリーアーカイブ

関西経済同友会が農業特区の兵庫県養父市を視察

関西経済同友会が農業特区の兵庫県養父市を視察

関西経済同友会の農業改革委員会は9月2日、国家戦略特区の一つ、兵庫県養父市を視察した。関西経済同友会は国内農業強化に向けて、企業参入を推進しており、今回の視察は後継者不足対策として企業を含む「多様な担い手」の導入を進めている養父市の事業を後押しする狙いがある。

視察には村尾和俊代表幹事ら約30人が参加。廃校を活用した無農薬野菜栽培工場や、市が販売に力を入れる「棚田米」の栽培現場などを見て回った。広瀬栄市長との意見交換会では農業市場などでの「養父ブランド」の確立や、同市特産「朝倉山椒」の海外での販売などを提案した。

陸上で「漁業の工業化」推進 岡山理大・山本准教授

陸上で「漁業の工業化」推進  岡山理大・山本准教授

海上ではなく、内陸部で魚の養殖・研究を手掛ける研究者は、まだ稀有な存在だ。岡山理科大の山本俊政准教授もそんな一人。山本氏が手掛ける、陸上での漁業専用の研究施設では、巨大な水槽の中で大量のウナギやフグが飼育されている。天候や海水汚染などによるリスクを減らした「漁業の工業化」を目指し、飼育技術を磨いている。5月に陸上の巨大水槽で飼育したマグロを初出荷した。

偶然、海水の成分のうち、海生生物が生存するのに不可欠な成分量はごくわずかと分かり、山本氏の研究が始動した。海水から海生生物に不可欠な成分だけを抜き出し、この「漁業の工業化」プロジェクトに活かされている。

セブンイレブン 関西でおでんつゆ刷新

 

 

 

 

 

 

セブンイレブン   関西でおでんつゆ刷新

セブン-イレブン・ジャパンは、関西地区の店舗で販売するおでんのつゆを新しくしたと発表した。関西の人気店を参考にして、具材も見直した。2014年度に関西地区のおでんの売上高を前年比2割超増やす計画だ。関西の消費者の嗜好に合わせ、みりんを多めに使い、甘みを強調。かつお節や昆布に加え、新しい鶏ガラも使った。

兵庫県の農業高校で地鶏復活プロジェクト

 

 

 

兵庫県の農業高校で地鶏復活プロジェクト

    兵庫県立播磨農業高校が9月から、兵庫県の地鶏「ひょうご味どり」復活プロジェクトをスタートさせる。地元の醤油メーカーの依頼を受けて、プロジェクトの発足となった。というのも、以前は廃棄していた醤油かすのリサイクル法として、これを飼料とした地鶏育成が注目され出したためだ。研究の結果、この醤油かすを地鶏の飼料に加える加えることで、トリの成長が促進されることが分かってきたのだという。果たして、高校のプロジェクトが郷土の地鶏復活に一役買うことができるのか注目される。

霧島酒造が焼酎かすで9月から「バイオ発電」事業

霧島酒造が焼酎かすで9月から「バイオ発電」事業

 焼酎メーカー大手の霧島酒造(宮崎県都城市)は8月28日、製造過程で発生する焼酎かすなどを利用した「バイオガス発電」を始めると発表した。同社はこれまで、バイオガスを工場のボイラー燃料などとして使ってきたが、2012年7月に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を受け、発電事業参入を決めた。

 1日最大800㌧出る焼酎かすや芋くずを発酵させてバイオガスを生成し、燃焼させて発電するしくみ。総事業費は13億5000万円。すでに工場敷地内に発電機3台を新設し、9月から本格稼働する予定だ。年間発電量は一般家庭1000世帯分の年間使用量に相当する約4000万㌔㍗時で、九州電力に販売し、年間1億5000万円の収入を見込む。

6次産業ファンドの初案件に養殖魚の食縁決まる

6次産業ファンドの初案件に養殖魚の食縁決まる

 紀陽銀行が農林漁業成長産業化支援機構などと立ち上げた、紀陽6次産業化投資事業有限責任組合(=紀陽6次産業化ファンド)は、養殖魚の加工・輸出に取り組む食縁(和歌山県新宮市)への出資を決めた。同ファンドの第1号案件となる。普通株式を取得し、1億3490万円を出資する。

 食縁は養殖ブリなどを加工して輸出する計画で、2015年秋に加工場を完成、16年度に約2000㌧の生産を目指す。

農地向け太陽光設備 ルネサンス・プロジェクト

農地向け太陽光設備ルネサンス・プロジェクト

 酒類販売を手掛けるルネサンス・プロジェクト(福岡市)は、月内にも農地向け太陽光発電設備の全国販売を始める。ミツウロコグループホールディングスと提携し、同社のLPガスを取り扱う約2000社の代理店網を活用する。

全国で耕作放棄地が増えており、売電で収入を得ながら農業を手掛けるモデルを提案、需要を掘り起こす。太陽光発電設備の設計などはルネサンス・プロジェクトの農業生産法人、ルネサンスエコファーム(山口県防府市)が手掛ける。同生産法人は、出力250㌔㍗の太陽光発電設備を農地で運用しており、そのノウハウを生かす。

 

兵神機械 船内向け野菜栽培装置を11月に製品化

兵神機械  船内向け野菜栽培装置を11月に製品化

 兵神機械工業(兵庫県播磨町)は、船内で新鮮野菜が育てられる船舶用水耕栽培装置を実用化する。開発した試作機を8月末に内航船に搭載し、育成状況を調査したうえで、11月ごろの製品化を目指す。価格は1機当たり50万円以上とする。年間40~50隻の船舶への設置を目指すほか、外航船や防衛省向けの装置開発も進める。栽培装置は高さ895㍉×横幅848㍉×奥行き465㍉、重量は70~80㌔。船内に置きやすいよう小型軽量化する。

 鉄製で電源は船側から受け、下に循環用ポンプと水タンク、上に水耕用トレーを配置し、上部天井から発光ダイオード(LED)ライトで照らすしくみ。一度に30株弱のレタス系やアブラナ系のベビーリーフの種を蒔けば20~30日で収穫できる。11月に「マリンオンディーネ(仮称)」として製品化を目指す。

「獺祭」の旭酒造 酒米栽培に農業クラウド導入

「獺祭」の旭酒造  酒米栽培に農業クラウド導入

 人気に比して、酒米の制約から恒常的に品薄が続く日本酒「獺祭(だっさい)」を製造する旭酒造(山口県岩国市)は、原料米の山田錦を安定調達するため、富士通と組み、山口県内の山田錦を栽培する2つの契約農家に農業クラウド(「Akisai(秋彩)」)を導入した。

 日々の作業実績や生育状況をクラウドで管理。どんな農薬・肥料を使ったか、イネの丈や茎の数どれくらいあるか、さらに温湿度や工場の水分などを圃場のセンサーでデータ取得し、蓄積。これを生産者間で共有する。

 こうしたデータ活用により、現在全国で30万俵の山田錦の生産量を、将来的に倍増を目指す。

兵庫県養父市の放棄地 ヤンマー活用ニンニク栽培

兵庫県養父市の放棄地 ヤンマー活用ニンニク栽培

 ヤンマーの子会社、ヤンマーアグリイノベーション(大阪市)が、兵庫県養父市で耕作放棄地の本格活用に乗り出す。2013年度に試験的に始めたニンニクの栽培面積を18年度に甲子園球場4.7個分に相当する18㌶(約18万平方㍍)に広げる。自社の農機を使って地元農家や就農希望者に独自の農法を教え、農業の活性化を後押しする。本業である農機市場の拡大につなげる狙いもある