「産地の動向」カテゴリーアーカイブ

大阪産夏野菜の需要拡大目指し東京で試食会

大阪産夏野菜の需要拡大目指し東京で試食会

 大阪府は府内産の農水産物ブランド「大阪産(もん)」の宣伝、普及を目指し、東京のフランス料理店で8月28日に試食会を開く。毛馬胡瓜(けまきゅうり)など夏野菜を材料にフランス料理と日本料理を数点ずつ提供し、料理人や食材の購買担当者らに試食してもらう。大阪産を使う首都圏の店舗を増やし、大阪産の出荷量の拡大を目指す。

 試食会は「大阪産食材検討会in東京」と題し、港区愛宕の「ジェ・アッシュ・ワイン&マリアージュ」で開く。泉州水なす、勝間南瓜(こつまなんきん)、大阪いちじく、などの食材を使う。同店と料理教室「食彩わたぬき」の料理人が調理する。

I Tで「山田錦」酒米増産 富士通・旭酒造

I Tで「山田錦」酒米増産 富士通・旭酒造

 富士通と日本酒の旭酒造(山口県岩国市)は8月4日、人気銘柄「獺祭(だっさい)」の原料「山田錦」の増産のため、IT活用で協力すると発表した。山田錦は栽培が難しいため生産者が増えず、酒米の量が人気に追いつかない状況だ。土壌温度や水分量などのデータをインターネットで管理できる「農業クラウド」を契約農家に普及させ、栽培しやすくして増産につなげる考えだ

 富士通は独自の農業クラウドを、山田錦の生産実績のある農家に導入。日々の作業をパソコン、スメートフォンなどに入力して蓄積する。さらにセンサーで気温、土壌、水分のデータとともに、定点カメラから生育画像も収集する。

成長産業への道筋示す 農業コンクール全国大会

成長産業への道筋示す 農業コンクール全国大会

 優れた農業経営者を表彰する第63回全国農業コンクール全国大会が大分市で開かれ、全国から選ばれた20組が創意あふれる取り組みを発表した。農業の競争力強化は“待ったなし”の課題である。今回紹介された様々な経営手法は、それぞれの地域で経営改善に取り組む多くの農業生産社のヒントになり、農業活性化に役立つとみられる。

 政府は10年間で農業・農村所得を倍増するという目標を掲げている。そのために、農産物をそのまま出荷する1次産業にとどまらず、総菜などに加工し、(2次産業)、販売する(3次産業)ところまで、まとめて取り組む6次産業化を促している。

今回の発表社の大半はすでに6次産業化を実践し、業績を伸ばし続けていた。とくに付加価値を高める2次、3次産業の分野では女性の視点を製品開発や販路拡大に生かしている事例が目を引いた。

農業特区指定の兵庫・養父市で区域会議初会合

農業特区指定の兵庫・養父市で区域会議初会合
 国家戦略特区の農業特区に指定された兵庫県養父市で7月23日、政府、自治体、事業者の代表らが出席して区域会議の初会合が開かれた。具体的な事業内容や実施地域などを盛り込んだ計画素案をまとめた。
 同特区では9事業者が選定された。今後、農業生産法人の設立を通じた有機野菜などの栽培や農産物の加工、古民家を生かした宿泊施設の整備などを順次始める見通しだ。初会合に出席した新藤義孝総務相は「養父市は準備が早く進んでおり、早期の事業家をバックアップしたい」と話し、次回会合で計画を決定し、秋には事業着手する方針を表明した。
 養父市は特区を通じて企業など新たな農業の担い手を呼び込み、市内農地の約1割、230㌶の耕作放棄地の解消を目指す。

農地借用 大阪府の募集に124者応募 H2O系など

農地借用大阪府の募集に124者応募H2O系など

 小規模農地などを借り上げ大規模な生産者らに貸し出す農地中間管理機構(農地集積バンク)について、大阪府の第1回募集に対し、124者が借用を希望した。エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)のグループ企業などが手を挙げた。今後は貸し出し可能な農地を探し、年内にも農地所有者と借り手の間で賃借契約を結ぶ。

 近畿では兵庫県に次いで、大阪府が6月から借り手を募集していた。124者の内訳は個人100人、企業22社、NPO2団体だった。124者の合計で、63万平方㍍の借用を希望している。

 

地域の農業振興へ第三セクター設立 JAあわじ島など

地域の農業振興へ第三セクター設立 JAあわじ島など

 兵庫県南あわじ市とあわじ島農業協同組合(JAあわじ島、南あわじ市)などは7月22日、地域の農業振興を目的にした第三セクター「あわじ島まるごと」の設立総会を開いた。農協の上部組織である全国農業同組合連合会(JA全農)なども出資し、大型直売所の運営や地場農産物の販路開拓をする。

 「あわじ島まるごと」は資本金1億2010万円。JAあわじ島が約42%、南あわじ市が約25%を出資。全農と兵庫県信用農業協同組合連合会(兵庫県信連)がそれぞれ約8%強、全国共済農業協同組合連合会(共済連)が約8%弱を出資する。地元の淡路島酪農農業協同組合なども株式を引き受けた。

耕作放棄地の拡大防止へ農地集積バンク始動

耕作放棄地の拡大防止へ農地集積バンク始動

    小さな農地を借り上げて大規模生産者にまとめて貸し出す農地中間管理機構(農地集積バンク)の事業が全国で動き始めた。高齢化や後継者不足で耕作放棄地が広がるなど課題を抱える農業を成長産業に変革させるため、貸し借りを仲介し経営効率を高めるのが狙いだ。担い手による農地利用を現在の5割から8割に引き上げようと意欲的だ。

  山口県萩市で4月に集落内の農家12戸が農事組合法人「日の出」を設立。離農した人や転居した人らに農地提供を呼び掛けて計16㌶を集め、集積バンクに貸し出された。これを「日の出」がまとめて借りている。

    また、4月に借り手の募集を始めた兵庫県では、企業や大規模農家などから応募が殺到。1カ月の募集期間で114事業体から農地を借りたいとの要望が寄せられた。賃借を希望する面積は計4300㌶。同県が10年間で仲介すると定めた目標の2割がすでに集った計算だ。6月末にまず5件、計約39㌶の貸し付けを実施した。

    耕作放棄地は農家の高齢化に伴って急拡大。全国の農業従事者の6割超は65歳以上。1975年に13.1万㌶だった放棄地は、2010年には3倍を超える39.6万㌶に拡大した。滋賀県の面積に相当する広さだ。こうした状況にあっても、他人に貸すのは嫌、売るのはもっと嫌というのが農地所有者=農家の本音。そこで、登場したのがこの農地集積バンクだが、まずは思惑通りの滑り出しといえそうだ。

早さ1/5倍 水産総研などアサリの新たな養殖法開発

早さ1/5倍  水産総研などアサリの新たな養殖法開発

  水産総合研究センター増養殖研究所などは、アサリの新たな養殖法を開発した。カキ殻や砂利などを入れた網の袋で、海中を浮遊する幼生と呼ぶアサリの赤ちゃんを捕まえ、ある程度育ってから、かごに入れていかだから海中に吊るす。エサとなるプランクトンが多い環境で育つため、天然の1.5倍ほど早く成長する。減少傾向が続くアサリの資源回復に役立つとみており、全国の漁業者に広める考えだ。

 同研究所と、三重県鳥羽市の若手漁業者が集まる浦村アサリ研究会や、三重県水産研究所などが共同開発した。ある程度育った稚貝をいかだから吊り下げる養殖法はあるが、幼生から育てる技術は初めてという。

 

ローソン 年内メドに新潟特区で農業 各地で企業参入

ローソン 年内メドに新潟特区で農業 各地で企業参入

 ローソンは7月18日、新潟市で開かれた国家戦略特区区域会議で、新潟市内の農家と連携して、コメの生産・加工する計画を示した。同社は年内をメドに農業生産法人「ローソンファーム新潟」を設立。ローソン店舗で販売するおにぎりや弁当向けの生産・加工事業を推進する。新潟市の特区では農業生産法人の設立要件を、農作業者の役員が1人でも生産法人を設立できるなど大幅に緩和した。

 農業分野では、兵庫県養父市の特区でもオリックス不動産などが廃校を利用した野菜工場などを運営する。規制緩和を活用して、新しい事業を始める動きが広がっている。

 

トヨタ 石川・愛知県の農業法人9社と生産管理で提携

トヨタ 石川・愛知県の農業法人9社と生産管理で提携

 トヨタ自動車は7月18日、石川・愛知両県の農業生産法人9社と、石川県との間で、農業分野で提携すると発表した。農業法人がトヨタの開発した農業管理のIT(情報技術)ツール「豊作計画」を導入。各法人の課題解決に役立てるとともに、蓄積したビッグデータを各法人に提供し、全体の生産効率改善に役立てる。石川県は生産管理手法などを習得する。

 「豊作計画」は日々の農作業工程や進捗を作業員のスマートフォンなどの配信するITツール。作業員は配信された計画を基に作業を行い、実績を入力して日々の農作業をデータ化する。