日生と住生が応札検討 関空・伊丹運営権売却入札
日本生命保険と住友生命保険は11月28日、新関西国際空港会社による関西国際・大阪(伊丹)両空港の運営権売却の入札に参加を検討していることを明らかにした。大阪市で両社が開いた決算記者会見の場で幹部が語った。運営権の最低落札価格は約2兆2000億円で、両社は採算性などを詳しく調べている。
14年度予測 関西マイナス成長に下方修正 15年上方修正
シンクタンクのアジア太平洋研究所(大阪市)は11月26日、2014年度の関西の実質域内成長率が前年度比0.1%減になるとの予測を発表した。0.9%増とした8月発表の前回予測から1.0ポイント下方修正した。消費増税に伴う駆け込み需要の反動減が、7~9月も想定以上に尾を引いた。機械や化学を中心に関西からの輸出額は伸びたが、物価上昇による民間支出の不調が景気を抑えると分析した。
一方、15年度の成長率予測は1.6%増から1.8%増へ0.2ポイント上方修正した。消費再増税が先送りされ、雇用や所得の環境が改善して物価上昇も緩やかになることで、民間支出が14年度に比べて増える見通しとなったため。関西を訪れる外国人観光客の消費も景気を下支えすると判断した。
学校図書館を拡充 学力向上へ大阪市長と教育委が協議
大阪市の教育施設について橋下徹市長と教育委員が話し合う協議会が11月25日、市役所であり、市立小中学校の図書館を大幅拡充する方針が固まった。橋下市長は「市の学校図書館は全国レベルでも低水準。学力向上の点からも力を入れる必要がある」と述べ、将来の予算化の考えを示した。
この日の協議会で大阪市教育委員会事務局は標準的な蔵書数を小学校で7000冊、中学校で8000冊と見積もった場合、現状では標準達成に年間約3億4000万円(3年計画)の経費がかかるとの試算を提示。橋下市長は「必要なものは、きちんと予算措置をする」とし、学校図書館の運営・管理のため、市民ボランティアも含めた人的サポート体制を整えると明らかにした。
「天満切子を後世に伝えたい」病押し” 職人技”伝授
高級カットグラス「天満切子(きりこ)」を後世に伝えたい–。大阪・天満の切子職人、宇良(うら)武一さん(77)が、がんと闘いながら弟子たちに製法や技術を教えている。戦前にガラスの街として栄えた天満には大勢の切子職人がいた。1950年ごろまでは窯元や工房が並び、薩摩切子などが作られていた。ところが、その後、安価な輸入グラスが流通し始め、次第に切子職人は姿を消していった。その結果、約25年前に宇良さんの工房だけとなった。「このままではガラスの街、天満の名前が消えてしまう」そんな思いが強くなった。
宇良さんは約5年前、胃がんと診断され、胃をすべて摘出した。昨年には腎臓も患い、起き上がれない日があるほど体調が悪化した。集中力が必要な切子をつくことはもうできなくなった。現在は唯一の弟子、岩谷昌美さん(40)が宇良さんの指導を時に受けながら、商品の天満切子を制作する。主婦だったが、10年以上前から宇良さんの教室に通い詰めて技を磨き、唯一の弟子と認められた。岩谷さんは「こんなきれいな切子は消したくない」と話す。「ガラスに囲まれた人生は幸せやった。後は天満切子を後世に残すだけ」と宇良さん。どうしても「天満切子」の光は消せない。こんな思いの師弟の奮闘が今日も続く。