滋賀県が、地球温暖化に伴う高温障害を防ぐため10年かけ品種改良に取り組み、2013年「特A」の食味の評価を得た新品種『みずかがみ』が香港のキャセイパシフィック航空の機内食に採用されることになりました。
4月15日からキャセイパシフィック、香港発日本行きの全便と一部の日本発のファーストクラス、ビジネスクラスの機内食に使われています。また、全日本空輸(ANA)の香港発日本行き便の機内食にも採用されています。
このきっかけは13年9月に嘉田由紀子・滋賀県知事が関西広域連合のトッププロモーションで香港に赴いたときのことです。その際、縁あって出会ったのが幸運にも長浜市旧虎姫町出身で、現在はキャセイパシフィックケータリングサービス社の和食料理長している森静昭(もりしずあき)さんでした。嘉田知事は手土産に持参した『みずかがみ』(5㌔袋)を渡しました。そこで、持って帰り、自分の家で炊いて食べた森さんの「これは、おいしい」との評価を得て、森さんからこれをパシフィックの機内食に使えないかと発案されたという。
森さんは日本で修業した後、日本料理店「なだ万」香港島店のオープニングメンバーとして現地を訪れ、それ以来30年以上、香港で活躍している、いわば和食料理人の達人でした。幸運な偶然が重なりました。その結果の採用でした。
滋賀県では新しいブランド米として『みずかがみ』を県外にも売り込む、スタートダッシュを図る年にしたいとしています。
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日本の演芸品 海外富裕層へ-洋ラン東南アジア 盆栽欧州に
日本の農業生産者が花や盆栽の海外での販売を拡大している。愛知県豊明花き流通協同組合(愛知県豊明市)は2012年度の洋ランなどの輸出量を前年度比2倍の4000鉢増やした。さいたま市の生産者なども盆栽の輸出を始める計画だ。国内需要は落ち込んでいるため、日本での生産技術を生かし海外の富裕層向けに市場を開拓する。
12年度は香港とシンガポールに約200品種を輸出。鉢物を専用のコンテナに積み込み名古屋港から海上輸送した。輸出先の気候に合わせて植物の水分量を調整するなど梱包方法も工夫した。日本産の洋ランは独自品種が多く高級感のある外観から現地での人気が高い。競合する韓国や中国産と比べ、最大で10倍程度の高値で取引されているという。品種は地元産シンビジウムなど。
さいたま観光国際協会やさいたま市の盆栽生産者は今年中に、高級盆栽として知られる大宮盆栽の輸出を始める。輸出先はイタリアやフランスなど欧州連合(EU)主要国。EUの検疫基準を今秋にも満たす予定だ。価格帯は1鉢10万円以上の中高級品。初年度の販売は2000万円、16年には5億円を目指す。品種は真柏(しんぱく)など。
園芸苗生産販売のハルディン(千葉市印西市)は中国の山東省に設けた自社農場で観葉植物など約20種類の苗を生産し、現地の園芸センターで販売し始めた。杭州の5店に加え4月末から上海市の店でも売り出す。中国では富裕層を中心に園芸への関心が高まっており、販売は好調だ。
アイリスが仙台の農業法人と提携しコメ卸売り
生活用品製造卸のアイリスオーヤマ(仙台市)はコメの卸売事業に参入する。仙台市の農業生産法人と提携。東北の農家から仕入れたコメを精米し、2014年からホームセンターなどに販売する。
アイリスが51%、農業生産法人の舞台ファームが49%をそれぞれ出資して新会社の「舞台アグリイノベーション」を4月中に設立する。資本金は5000万円。新会社は50億円を投じて仙台市内に精米工場を建設する。14年2月に稼働し、東北の農家や舞台ファームが生産したコメを精米する。15年度の年間精米能力は、日本人約40万人の消費量にあたる2万5000㌧になる見通し。
精米後はアイリスがホームセンターを中心にコンビニエンスストアや外食チェーンに販売する。インターネット通販でも売り出す。一般的には常温で精米するのに対し、鮮度の低下を抑えられるセ氏15度程度の低温で配送まで管理する。「コシヒカリ」や「ササニシキ」「つや姫」などのブランド米をはじめ少なくとも20~30種類をそろえる。価格はスーパーと同等もしくは、やや高くなる見込み。15年度に100億円の売り上げを目指す。