ビル間で熱を融通「サーマルグリッドシステム」実証実験

ビル間で熱を融通「サーマルグリッドシステム」実証実験

 大阪市立大学工学部の中尾正喜・特命教授らの研究グループが開発した、複数のビルの空調設備を専用装置でつなぎ、ビル同士の熱を融通して冷暖房のエネルギーを節約する「サーマルグリッドシステム」の実証実験が8月12日、大阪市住之江区の大阪府咲洲庁舎とアジア太平洋トレードセンター(ATC)の空調設備の各部をつなぎ、始まった。この実証実験の総事業費は3億5000万円。期間は2015年1月まで。省エネ効果などを検証する。

 中尾教授らは、このシステムにより「約4割の省エネ効果が可能」としている。ここで得られたデータをもとに、大手ゼネコンの大林組など20社からなる「咲洲・アジアスマートコミュニティ協議会」が同システムをインテックス大阪(大阪市住之江区)の6つの建物に15年3月導入。約1年間の検証後、16年3月に実用化する予定。