農学部人気をけん引する女子学生 志願者急増
大学の農学系学部の人気が高まっている。けん引役は女子学生だ。圧倒的に男臭いイメージが強かった東京農業大学も実に新入生の4割強を女子が占めている。明治大学農学部の女子の志願者は6年前から1500人以上増えた。この間、男子学生の増加は1000人にも満たない。女子の急激な志願者の増加が全体の倍率を引き上げ、農学部のレベルを高めている。
農学部復活のきっかけは、急速なバイオ技術の進展だ。様々な生物のゲノムが解読され、品種改良や作物栽培のあり方が急速に発展した。これに伴い、農学部学生の就職先もこれまでの食品製造業にとどまらず、医療系、金融サービス系などバラエティーに富んできた。志願者急増の女子学生らも実は、将来の就職先や就きたい職業を考えあわせたうえでのものだ。就職先について産業界のニーズは、もはや農学部出身=農業・農業関連産業という構図は全くあてはまらなくなっているのだ。こうしてみると、農学部人気は一過性のものではなく、地に足の付いた選択肢の一つとなった。
ところで、農学部を抱える私立大は少なく、全国でも明治大や近畿大など現在6校しかない。こんな農学部人気を見越してか、龍谷大は来年度農学部を設置するという。