生産調整の対象外で高級酒用の酒米の増産傾向明確に
全国で純米吟醸酒など高級日本酒の原料となる酒米(酒造好適米)の生産が増えている。高級酒の販売が好調な酒造会社が購入量を増やしているため、出荷量は2010年を底に増加に転じ、14年も伸びる見通しだ。14年度から酒米の増産分は生産調整(減反)の対象外となったのも追い風となっている。生産量も供給過剰が続く主食用米から、当該生産者も酒米に生産の軸足を移し始めた。
代表的な酒米「山田錦」の生産量で全国の7割を占める兵庫県。作付けしやすくなった今年は1万9000~2万㌧と、昨年より最大17%増える見通しだ。山口県では今年14カ所で酒米の試験栽培が進められている。岩国市の山口東農業協同組合は山田錦や県独自の「西都の雫(しずく)」を栽培中だ。同県のJAグループは今年の収穫量を昨年比3割増の320㌧と見込んでいる。京都府でも府内産の「祝」の生産が増加。収穫量は5割増の418㌧になる見通しだ。
農林水産省によると、酒米の検査数量は6万5000㌧だった2010年を底に増加に転じている。13年は7万5000㌧、そして14年産はさらに増えるとの見方が強い。