家庭用のバター 乳業大手に農水省が増産要請
家庭用バターの品薄を受け、農林水産省は11月28日、大手乳業メーカーに対し、クリスマスケーキ向けなどの需要増が見込まれる年末に向け、最大限の供給をするよう要請した。家庭用バターの増産計画を早期に報告するよう求めた。政府は今年度、昨年の生産量の約2割に相当する計1万㌧の業務用バター輸入を決めた。このうち2000㌧がすでに輸入され、11月中に5000㌧、2015年3月までに3000㌧輸入する予定だ。各メーカーには、できるだけ家庭用に振り向けるよう求めた。
バター不足は、原料となる生乳生産量が落ち込んでいるためだ。円安で輸入飼料が高騰し、酪農家が減っているうえ、昨年の猛暑が響いている。生乳は、牛乳向けが優先され、次がチーズや生クリーム用などで、保存できるバター向けは後回しにされる。このためスーパーなどでバターが不足している。