立命大 農地改善技術の普及へ 自治体・企業と連携

立命大  農地改善技術の普及へ 自治体・企業と連携

立命館大学は、イオングループや京都府などと共同で、農地を改善して生産性を高める独自技術の本格普及に乗り出す。すでに実証実験で農作物の収量が増えるなどの効果を確認しており、濃業参入を検討する企業や、農業による地域振興を目指す自治体からの関心が高く、様々な支援策を展開する考えだ。

同大学の久保幹教授らのグループが確立した土壌の肥沃度を診断する「SOFIX」と呼ぶ手法を普及させる。窒素、リン、カリウム、微生物といった農作物に欠かせない成分の量などを分析し、必要に応じて落ち葉や牛ふんなどの有機材を混ぜて土壌を改善する。有機農法の生産効率を高め、農家の収入向上につなげる。JAおうみ富士(滋賀県守山市)の試験農場で土壌改善後にトマトなどを栽培したところ、品質向上を確認。イオングループの兵庫県三木市の大規模農場でも、条件を変えてキャベツを育て収穫量が1.4~2倍になることを実証している。

こうした実績から、農業強化や地域振興に生かせると判断し、企業や自治体に協力する形で普及を進める。パナソニック、丸紅、近江八幡市に本社を置く菓子製造・販売のたねや、草津市、守山市などと協力する。ただ、当面は今年1月に連携協定を結んだ京都府丹後あじわいの郷(京丹後市)を拠点に、丹後地域の6次産業化の推進や「食」に関する人材育成事業などに取り組む計画。