エースコック ベトナム自社工場からの素材調達を拡大
即席めん大手のエースコック(大阪府吹田市)は、自社のベトナム工場からの素材調達を拡大する。ベトナムで生産した米麺(フォー)を使った製品を8月に日本で発売したのに続き、香辛料や具剤などの調達を検討する。本場の素材を使い、より本格的な商品の開発をめざす。
敷島製パン 全工場に国際規格「FSSC22000」取得へ
敷島製パンは国内の全工場について、食品の安全に関する国際規格「FSSC22000」を取得する方針だ。消費者の食の安全意識の高まりに対応するほか、スーパーやコンビニエンスストアなど取引先が定期的に行う敷島パンの工場の安全チェックの負担を軽減する。国際基準に基づき、品質管理を一段と向上させる。FSSC22000は衛生管理と基準を定めた規格で、「ISO22000」をベースに、食品防御(フードディフェンス)への対応も求める国際規格で、オランダの食品安全認証財団が開発した。
敷島パンは全国に10工場を保有する。このうち「パスコ埼玉工場」(埼玉県川島町)と「神戸工場」(神戸市西区)で9月、先行してFSSC22000の認証を取得。2015年8月期をめどに残りの8工場でも認証を受ける計画を立てている。
食肉卸値が一段高 鍋物需要で鶏・豚、牛も
食肉の卸値が一段と上昇している。12月に入って寒さが増し、鍋物向けの引き合いが強まっているほか、年末商戦に向けて調達を増やす動きもある。今年は食肉全般が高く、小売店は利幅を削っての商戦になりそうだ。鍋物に使う鶏もも肉は12月に入って5%上昇している。気温が高かった11月は前年同期より安かったが、寒さの到来で徐々に上がってきた。クリスマスに向けて骨付きもも肉の在庫を積み増す業者もおり、さらに値上がりする可能性もある。
豚肉は春に発生した豚流行性下痢(PED)の影響が続いている。出荷時期の豚が例年より少ない。農林水産省の調べでは12月の屠畜頭数は前年比8%減る見込み。このため、卸値は前月比で1割、前年比では2割上昇している。
豚肉高値の余波を受けているのが鶏むね肉。あっさりとした味わいで例年、冬は需要が落ちるが、今年は前年比2割高い。生産者の廃業で飼育頭数が減り、高値が続いている和牛も小幅に上昇している。お歳暮など贈答用に使われる高価な「A5」等級の牛肉は、12月11日時点で前月比6%高い1㌔当たり2505円を付けている。
トヨタ自動車が農業法人に出資 農業事業に本格参入
トヨタ自動車は農業事業に本格参入する。ベビーリーフや発芽大豆を生産販売する熊本県の農業法人に約1億円を出資する。トヨタが農業法人へ出資するのは初めて。製造現場などの無駄を省く「カイゼン」の手法を活用し、より効率が良い農業を目指す農業法人の果実堂(熊本県益城町)に出資する。2005年4月の設立で、サラダ用などのベビーリーフで国内トップクラスのシェアを持つ。すでに三井物産やカゴメも出資しており、トヨタはカゴメに次ぐ株主となる見通しだ。
果実堂は植物工場でカイゼンの手法を活用。病害を即座に発見したり、データ分析駆使して的確な生産計画を立てたりする。トヨタはイネやイチゴも試験栽培する。農作業をITで支援するビジネスも始めており、農業関連を成長分野の一つと位置付けている。
大西洋サケ4~5割高 欧州のクリスマス需要で
回転すしのネタなどになる大西洋サケ(アトランティックサーモン)の産地価格が上昇している。欧州でクリスマス向けの需要が高まり、主産地のノルウェーで日本の商社が生産者から買う価格は1㌔46クローネ(約740円)と直近の安値を付けた10月より4~5割高い。国内卸値も上昇している。大西洋サケは世界のサーモン総生産量の5割程度を占め、そのうちノルウェー産が6割のシェアを持つ。
東京・築地市場での卸値は1㌔1200~1300円と10月に比べて2~3割高い。足元でノルウェー産の産地価格が大幅に上昇しているため、今後国内卸値はさらに上がる可能性がある。小売店では100㌘350~400円で売られることが多く、大きな値動きはない。
無農薬・無化学肥料のコメ使用の純米酒 JA越前たけふ
福井県越前市のJA越前たけふは、越前市白山、坂口を中心に行われている無農薬・無化学肥料の「コウノトリ呼び戻す農法」による米を使った純米吟醸酒「かたかた」を12月15日から販売すると発表した。年賀式など祝いの席で飲んでもらいたいとしている。720㌔㍑で税込み2160円、限定900本を販売する。
同地区では農法のPRのため、同JAは市と連携して昨年に続き生産。農事組合法人「まっきーの杜」などが白山地区の約2500平方㍍に作付し、9月上旬に収穫した酒米「五百万石」を100%使用した。同市余田町の片山酒造が醸造した。「かたかた」の名称は、コウノトリが求愛などの際にくちばしを鳴らす音をイメージしたという。