農水省 スギ花粉症「治療米」を20年度にも販売へ

農水省  スギ花粉症「治療米」を20年度にも販売へ

農林水産省は2020年度にも、スギ花粉症治療米の実用化を目指す。すでにベースとなるコメ品種は開発済み。薬事規制関連で厚生労働省、製薬会社などと連携を図りつつ、承認審査のための治験や製品開発を進めて販売につなげる。農業法人などで治療米を栽培する方法も検討する。スギ花粉症患者は国内3000万人以上いるといわれ、治療米が実用化されれば、消費量減少で価格下落が続くコメの高付加価値化や、休耕田対策にもつながりそうだ。

花粉症治療米の原理は、アレルギー原因となるスギ花粉成分をコメの中のタンパク質に注入し、抗原タンパク質として白米に蓄積させるもの。農業生物資源研究所が14年度までの委託研究でコメ品種を開発しており、マウスでの3週間投与でアレルギー反応が低減することも確認済みという。