ノンアルコールビール サントリー、アサヒが特許で火花
ビール風味のノンアルコール飲料を巡り、シェア1位のサントリービールと2位のアサヒビールが「特許」で火花を散らしている。親会社のサントリーホールディングス(HD)が、自社が持つ特許を侵害されたとして、アサヒに商品の製造や販売の差し止めを求め、東京地裁に提訴。3月10日開かれた第1回口頭弁論で、アサヒ側は「特許権は無効」などと全面的に争う姿勢を示した。
発端はサントリーが2011年に出願した特許。糖質、味の濃さを示すエキス分、酸性度を表す「PH」が、一定の範囲内にあるビール風味ノンアルコール飲料の特許を取得した。アサヒは「既存製品から容易に創作できるため、特許自体が無効」と反論、状況に応じて特許無効の審判を請求するとしている。
サントリーのアルコール、カロリー、糖質などをゼロにした「オールフリー」の14年販売量は720万㌜(1㌜は大瓶20本換算)で業界首位。一方、アサヒの「ドライゼロ」は14年で630万㌜まで販売を伸ばし、サントリーを猛追している。これらの商品は、ビールと違って酒税がかからないことから、利益率の高いドル箱商品となっている。