6月下旬から豚生肉の提供禁止へ 厚労省決定
厚生労働省は5月27日、飲食店での豚肉の生食(なましょく)を禁止することを正式に決めた。豚肉を提供する際に飲食店に加熱を義務付ける新たな規格基準薬事・食品衛生審議会の分科会に提示し了承された。実施は6月下旬を予定している。豚の生肉料理は2012年に牛の生レバー提供が禁止された後に増加したとみられるが、E型肝炎感染や食中毒のリスクが高いとして、厚労省が規制を検討していた。
新基準は、豚肉料理の提供に、肉の中心部を63度で30分以上加熱するか、それと同等以上の効果がある加熱殺菌を義務付ける。厚労省は75度で1分以上の加熱処理を推奨する。
違反すれば、食品衛生法に基づいて飲食店は営業停止など行政処分を受けるだけでなく、罰則規定により2年以下の懲役や200万円以下の罰金を科される可能性もある。
厚労省によると、豚の生肉はE型肝炎ウイルスや食中毒菌などを含んでいる可能性がある。E型肝炎は発熱や嘔吐などを発症し、劇症肝炎になれば死に至ることもある。