「グルテン」排除した柿の種が米国でヒット 亀田製菓
小麦アレルギーの原因物質である「グルテン」の徹底排除を前面に打ち出した、亀田製菓の柿の種が米国でヒット商品となっている。
「カメダ・クリスプ」という商品名で、その味はブラックペッパー、バーベキューなど完全に現地仕様。スイートチリはピリ辛のしょうゆ味だが、日本のものに比べると辛さは3倍にしているという。値段は日本の倍以上もするが、2014年の売上高は前年比5割増となった。ランチ代わりに食べるなど、米国独自の消費スタイルもひろがっているという。年間売上高はまだ1億円程度だが、数年で10億円台に乗せたい考えだ。
亀田製菓が柿の種の米国販売に乗り出したのは2008年。しかし、テスト販売当初の反応は散々だった。「なぜ、しょうゆ味しかないんだ」「ピーナッツは必要なのか」などの声が相次いだ。米国で馴染み深いクラッカーでもチップスでもない、未知の食べ物に消費者もスーパーも振り向いてくれなかった。
こんな挫折を経て、柿の種を救ったのが折からの、グルテンを使わない食品ブームだった。同社のコメを原料にした柿の種に注目が集まり、現地市場に合わせた商品開発にたどり着いた。そして2013年、日本で素焼きした柿の種を米国に送り、現地で味付けをする独自のシステムを開発、調味料を含めたグルテンフリー商品を実現した。