「ゴマ」6次産業化を推進する 近畿大・吉田教授
古来、健康に良い食品として知られる「日本ゴマ科学会」の第29回大会が、東大阪市の近畿大東大阪キャンパスで開かれた。同大会でホスト役の実行委員長を務めた近畿大農学部教授の吉田元信さんは、やせた土地でも栽培しやすく、商品作物としても高く売れるゴマは「農業の付加価値を高める有望な作物の一つ」と指摘する。そして、生産から加工、販売まで手掛ける6次産業化を進め、「問題が山積する日本の農業を変えたい」と話す。同大会でも、ゴマの摂取による血圧低下健康効果、国内外でのゴマ増産の取り組み、枚方市の農家レストランのゴマ料理紹介、高野山(和歌山県)の宿坊で振る舞われるゴマ豆腐作りの開設など、生産から加工まで幅広く、かつ分かりやすく来場者にアピールした。
専門分野は分子育種学。ゴマやサツマイモなどを材料に、遺伝子レベルで高品質な作物を生み出そうと模索している。研究の傍ら、ゴマ栽培を再び普及させようと、府内や奈良県内などの休耕田を活用し、効率よくゴマを育てる実験農場づくりを、学生とともに進めている。「学生に幅広い知識を身につけさせ、6次産業化を実践する人材を育てたい」と熱い。