日本産牛肉輸出拡大へ各国に関税下げ交渉

日本産牛肉輸出拡大へ各国に関税下げ交渉

政府は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)をはじめとする通商交渉で、日本産牛肉の関税引き下げなど輸入拡大策を各国に求める方針を固めた。世界の和食ブームを背景に日本産牛肉の輸出増加が見込まれるためで、TPPでは米国に対して牛肉を低関税で輸入する枠の拡大を要請する。

日本食ブームの中で高品質の日本産和牛の需要が伸びており、13年の牛肉輸出量は909㌧(輸出額は約58億円)と過去最高を記録。14年も11月までの累計で約1081㌧(同約71億円)と、すでに前年の記録を更新した。このうち世界最大の牛肉消費地である米国向けの牛肉輸出量は14年1~11月に約131㌧と過去最高を更新し、今後も伸びが見込まれる。

しかし、米国は日本に対し、年間200㌧を上限とする低関税輸入枠を設けている。200㌧までは価格に関係なく、牛肉1㌔当たり4.4㌣の関税がかかるだけだが、上限を超えた場合は26.4%の高関税が課せられる仕組みになっている。このまま順調に米国向けの牛肉輸出が増加すれば、200㌧の枠を超える可能性が高いため、米国側に枠の拡大を求める。EUも牛肉には10%超の関税をかけていることから、経済連携協定(EPA)交渉で、関税引き下げが課題となる見通しだ。