関西圏の戦略特区 規制緩和要望100件中認定わずか7件

関西圏の戦略特区  規制緩和要望100件中認定わずか7件

岩盤規制の打破により産業の活性化を目指す「国家戦略特区」(全国9地域)の一つに大阪府・京都府・兵庫県の全域が「関西圏」として2014年3月28日に選定されてから1年が過ぎた。この間に3府県から出された約100件の規制改革要望のうち、実際に規制が緩和された認定事業はわずか7件のみにとどまっている。関係者からは緩和のスピードアップを求める声が上がっている。

保険診療と保険の利かない診療を組み合わせる「混合診療」拡充に向けて、海外未承認の医薬品にも審査機関の短縮特例を適用する要望は、「安全面で必要な証明が速やかにそろうとは言い難い」(厚生労働省)として、ごく一部しか認められなかった。関係者からは「要望から1年以上かかるのでは、特区の意味がない」(関西の自治体担当者)との声も漏れる。大阪商工会議所の佐藤茂雄会頭も「スピード不足と言わざるを得ない」と指摘している。関西の政財界は現在、再生医療製品を短期間で実用化できる制度を、特区内では医薬品や医療機器にも認める要望など、優先項目を絞って国に実現を求めている。