日本ウイスキー 本場・欧州で人気 14年輸出額5割増
ウイスキーの本場・欧州で、日本産ウイスキーの人気が高まっている。海外の著名なウイスキーコンテストで常に上位を占める品質の高さが話題を呼び、2014年の輸出額は前年より約5割も伸びた。日本の酒造大手は海外への販売攻勢を強めている。
世界的に権威のあるウイスキーのガイド本「ジム・マレー ウイスキー・バイブル」(2015年版)は、一つの蒸留所の原酒だけを使ったサントリーのシングルモルト「山崎シェリーカスク2013」に最高の評価を与えている。本場スコットランドを抑え、同ガイド本で日本産ウイスキーがトップに立つのは初めてだ。
日本産ウイスキーが世界で注目されるようになったのは2000年代に入ってから。英国の専門誌「ウイスキーマガジン」が01年に初開催したコンテストで、ニッカの「シングルカスク余市10年」が総合1位を獲得。03年にはサントリーの「山崎12年」が「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」で金賞に輝いた。以来、両ブランドは主要なコンテストで常に上位を守り続けている。
評価に比例してウイスキーの輸出額も右肩上がりだ。04年には10億円に満たなかったが、14年は前年比47%増の58億円に達し、この10年で約6倍になった。サントリー、ニッカとも海外戦略は今後も強化する方針で、15年の輸出量は前年比1割以上増やす計画だ。