国産牛「赤身」の卸価格3割高 「霜降り」に近づく
国産牛肉の「赤身」の卸価格が上昇し、一段と「霜降り」に近づいている。消費者の健康志向によって肉の選びが変わりつつあり、赤身は1年で3割減となった。脂肪分であるサシが豊富な肉よりも2倍のペースで上昇している。全国的に子牛が足りなことも影響しており、赤身が高級品となりつつある。
和牛(去勢)では代表的な赤身であるA-2等級の東京市場での卸価格(加重平均)が、8月に入り1㌔2100円を超える日もある。ここ1年で3割高となり、1990年以降では最高値となった。
これまで最高級として定着していた霜降りはA-5の卸価格が同2500円前後で推移している。年間の上昇率は15%前後と、勢いでは赤身に軍配が上がる。赤身と霜降りの卸価格では約4年前まで1㌔当たり1000円近い価格差があった。それが今では、赤身の上昇によって3000円台半ばと、その差は3分の1近くに縮小している。