フードバンク全国推進協議会が始動 食品ロス削減へ
食品メーカーから出る規格外品などで貧困層を支援する「フードバンク活動」の全国推進協議会が動き出した。全国組織の結成に貢献したのは、メジャーリーガーの岩隈久志投手(シアトルマリナーズ)や、大相撲の嘉風関らが参加する「アス食プロジェクト」だ。同協議会は11県の同活動団体が加盟、貧困調査や資金調達を通し、全国に約40あるフードバンク団体と連携を深めていく。
岩隈投手は今年から投球回数、嘉風関は勝ち星の数に応じて国内の貧困家庭の子供にフードバンクを通じて国産米を贈る活動を続けている。それがフードバンク活動のPRにつながり、全国組織結成の機運を高めた。
全国組織設立の背景にあるのが食品ロスの削減だ。日本で廃棄される食品の量は約2000㌧(2014年)に上り、このうち事業者の過剰在庫や手つかずの食品など、まだ食べられるのに廃棄される量は643万㌧と3割を占めている。農林水産省はこの可食分をフードバンクに寄付するよう呼びかける方針だ。