<産業・社会の動き>
東レ LG化学の工場買収 エコカー向け電池材料増産
東レは2015年中に韓国LG化学からリチウム電池の主要材料であるセパレーター(絶縁材)の工場を買い取る。LGは完成品のリチウムイオン電池で高シェアを握る。ただ不安定なウォン相場など経営環境が変化する中、材料であるセパレーターでは日本メーカーからの購入を増やし、分業するのが高効率だと判断した。これを受け、東レはセパレーターの生産を増強し、世界シェア首位の旭化成を追う体制を整える。
東レはLG化学が持つ韓国中部の梧倉(オチャン)の工場設備を買い入れる。取得額は30億円とみられる。東レバッテリーセパレータフィルムの100%出資子会社を現地に設立する。東レは韓国中部の亀尾(グミ)と栃木県那須塩原市にセパレーターの工場を持っており、今回の買収で日韓3カ所の生産体制となる。
今回の買収とは別に100億円を投じ、韓国・亀尾の工場で設備の増強を進めており、2016年春にも稼働させる計画。セパレーターの生産能力は買収と亀尾への新規投資で現状の5割増となる。