和牛子牛の9月取引価格2割高 過去最高値更新
和牛の子牛価格が過去最高値を更新した。JAグループによると、9月の取引価格は1頭(雌雄の全国平均)68万円で前年同期に比べ2割高い。繁殖農家の高齢化などを背景に出荷量が減少。子牛を買って育てる農家の採算は悪化している。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)で安価な輸入牛肉が流入する可能性もあり、国内外の両面で経営環境が厳しくなっている。
全国の子牛取引市場の9月の上場頭数は2万6000頭で前年同月比4%減少している。子牛を市場で買ってきて成牛まで育てる肥育農家は、牛肉の出荷価格にコスト圧迫分を転嫁しきれず採算が悪化している。畜産の盛んな宮崎でさえ、9月から肥育農家が赤字に転落したとの試算もある。