暖冬~寒波で野菜価格乱高下 農家にも廃棄処分の打撃
野菜の価格が、極端な天候変化に振り回された格好で乱高下している。
今冬は暖冬で野菜の生育が早まり、農家からの前倒し出荷が相次いだ結果、安値になったと思ったら、思わぬ記録的な寒波到来で、ハクサイ、ホウレンソウ、コマツナなど葉物野菜中心に一気に高騰する場面もあった。
例えば大阪市中央卸売市場(大阪市福島区)でのホウレンソウの卸売価格は、1月13日は1㌔当たり399円だった。ところが寒波に見舞われた1月25日には750円に跳ね上がった。
こうした野菜の乱高下に振り回されたのは一般消費者だけではない。生産農家も大きな打撃を受けている。12月時点で、1月に出荷を予定していた野菜が暖冬で早く成長しすぎて、想定外の12月に前倒しで出荷せざるを得なくなり、市場で超安値を招いた。
それだけではない。成長が早まった膨大な量の野菜は、輸送コストも出ず大量に廃棄処分に追い込まれてしまったのだ。消費者も生産者も、誰にもメリットのない異常寒波だった。