維新が大阪市長選に吉村衆院議員擁立へ 自民と全面対決
11月22日投開票の大阪市長選で、大阪維新の会は元大阪市議で弁護士の吉村洋文(ひろふみ)衆院議員(40)=維新の党=を擁立する方針を固めた。
橋下氏の後継候補が誰になるか、選挙まで2カ月を切った今、「大阪都構想」への再挑戦を掲げて臨むとしている維新の方針とともに、注目されていた。この結果、すでに出馬を表明している自民党の柳本顕(あきら)大阪市議(41)と全面対決の構図となる。
両陣営とも候補者擁立に苦慮 大阪ダブル選
11月22日投開票の大阪府知事・大阪市長のダブル選挙まで2か月を切った。府知事選は、大阪維新の会幹事長の松井一郎知事が出馬の意向を固め、市長選は、自民党の柳本顕大阪市議が出馬表明したが、両陣営ともそれぞれ対抗する候補が決まっておらず、いずれも擁立に苦慮している。
大阪維新の会は9月中に候補者を擁立する方針だ。本来なら市長選候補者は、今頃はほぼ固まっているはずだった。ところが橋下氏の信頼が厚い元大阪市議で、弁護士の吉村洋文衆議院議員らの名前が挙がるが、いまだに決定には至っていない。これは、5月の住民投票で橋下氏があれだけ前面に出て負けた点にある。今回も非維新に結集されれば知名度のない候補には想像以上に厳しい戦いになるとの見立てがあるからだ。
一方、自民も知事候補として俳優の辰巳琢郎氏や反「大阪都構想」の旗振り役だった藤井聡・京大大学院教授らに出馬を打診してきた。だが、いずれも不調に終わっている。
なお、知事選には平松邦夫前大阪市長が出馬に意欲を示しているほか、市長選には前大阪市北区長の中川暢三氏が出馬表明している。
オーミケンシ 木材から食品素材 低カロリーが特徴
紡績大手のオーミケンシは木材から低カロリーの食品素材を製造する技術を開発した。パルプを分解してできるセルロースを溶かしてコンニャク粉などを混ぜて麺などに加工する。低カロリーで満腹感を得られるため、ダイエット食品や医療食に使える。2016年にも量産を始めて食品メーカーに供給し、新たな収益事業に育てる。
今回開発した食品素材は「可食セルロース」で、カロリーがゼロ。コンニャクと混ぜても100㌘当たり7㌔㌍とごはんの約20分の1という。セルロースはジャムやアイスクリームの粘り気を出す添加物などに使う。ただ苦みが強く、単体では食品素材に向かなかったため、低温で溶解して苦みを弱めた。
食品メーカーや飲食店と共同で今後、可食セルロースを使う商品の開発を進める。加古川工場(兵庫県加古川市)で生産設備を導入する。
ゆず加工品でアジア市場開拓 栃木の万葉柚子協議会
農業生産者や食品メーカーなどでつくる万葉柚子(ゆず)協議会は、栃木県産のゆずを原料とした加工食品の輸出を始めた。8月からゆずタルトやゆずコショウなど4品目を香港に出荷し始めており、年内にもシンガポールやタイに輸出する。ゆずは栃木県の特産品で、輸出を通じて「万葉柚子」のブランドを高め、販路を拡大する。
万葉柚子協議会は栃木県内のゆずの生産農家や東京フード(佐野市)、青源味噌(宇都宮市)といった中小食品メーカーなど計43会員で構成している。県内の樹齢30年以上の完熟した木から収穫したゆずだけを「万葉柚子」と名付けてブランド化し、万葉柚子を使った加工食品の開発も手掛ける。これまでにギョーザやゼリーなど22品目を商品化している。
大商が創薬ベンチャー「ピオニエ」設立
大阪商工会議所は、創薬ベンチャー企業であるピオニエ(大阪市中央区)を設立した。塩野義製薬のシーズを活用し、強い鎮痛効果を維持しつつ、副作用を抑えた次世代オピオイド系鎮痛薬の創薬過程の出発点となる、リード化合物を今後2年間で創出する。開発後は塩野義製薬を含む外部機関による同社のM&Aを目指す。大商が設立出資金50万円を出資し、大阪府や地元製薬企業など23社・機関が出資する。大阪バイオファンドや日本ベンチャーキャピタルなどが2億5000万円の第三者割当増資を引き受けた。
今回の創薬ベンチャー設立は、大商が2010年から進める医薬品の開発促進に向けて産業連携を支援する事業「DSANJ(創薬シーズ・基盤技術アライアンスネットワーク)」の一環。