「産地の動向」カテゴリーアーカイブ

福島の植物工場 産官学交流を促進 富士通G

福島の植物工場  産官学交流を促進 富士通G

   富士通グループは8月18日、食・農クラウド「Akisai(秋彩)」を活用した完全閉鎖型植物工場「会津若松Akisaiやさい工場」を、産官学の多様な立場の人材や技術が交流するオープンイノベーション拠点として強化すると発表した。

    秋田県立大学や福島県立医科大学との低カリウム野菜に関する共同研究の強化に加え、10月に事業運営上の重要指標の変化を見える化する「環境経営ダッシュボード」や富士通エフサスのソリューション「智のWA!JGAP(農林水産省指導の農業生産工程管理手法)指導支援ツール」などを導入する。

やる気と技術あれば 大阪府の「準農家制度」が人気

やる気と技術あれば 大阪府の「準農家制度」が人気

 小規模から農業を始められる大阪府の「準農家制度」が人気だ。農業を志す人と耕作放棄地を抱える地権者を仲介することで、新規参入を後押しする。都道府県では他に例がない試みだ。将来の担い手育成が課題となる中、都市型農業の新たな形として注目されている。

 大阪府では3年前に導入されたこの「準農家制度」で、これまでに計10.5㌶の土地を活用して57人が就農している。

 新制度導入以前は、府内の市町村で農業を始める場合、経営安定の観点から農業経験や一定規模(20~30㌃)の耕作地がなければ、参入が難しかった。これに対し、準農家制度は府が指定した研修などを受けて、意欲や農業技術があると認定した希望者を地権者に紹介する。府の「お墨付き」を与えることで、小規模の新規参入者でも農業を始められるようになった、

宮城・牡鹿半島の養殖カキ 冷凍保存で通年販売へ

宮城・牡鹿半島の養殖カキ冷凍保存で通年販売へ

 東日本大震災で被災した漁師らが経営する「宮城県狐崎水産6次化販売」(宮城県石巻市)は、石巻牡鹿半島の養殖カキの通年販売に乗り出す。このほど建設した加工場に急速冷凍機や海水を水にする製氷機などを配備。むき身の冷凍カキの扱いを増やせるようになり、これまではシ-ズンオフだった夏にも販売できるようにした。 

 2012年設立の同社は現在4人の漁師を中心に運営し、蒸しカキのセットやむき身、殻付きカキなども販売している。新加工場の稼働でカキを冷凍保存しやすくなるため、年間を通じ商品を供給できるようにする。

新潟のあきは農場 腎臓病患者向け低カリウムレタス生産へ

新潟のあきは農場腎臓病患者向け低カリウムレタス生産へ

 コメ栽培を手掛けるあきは農場(新潟市)は今秋、カリウムの含有量を抑えたレタスの生産を始める。腎臓病患者が増加し、食事制限に適した野菜の需要が増大しているため、植物工場で年間を通して生産し、コメの農閑期の冬場でも農作業できるようにする。

 生産するのは水耕栽培に適したレタス品種「フリルアイス」。秋田県立大学の小川敦史氏が発明し、特許を保有する低カリウム化技術を使う契約を結んだ。

福島産コメ シンガポールに輸出再開 JA全農

福島産コメ  シンガポールに輸出再開JA全農

 全国農業協同組合連合会(JA全農)は8月18日、東京電力福島第1原発事故後に止まっていた福島産米の輸出を再開すると発表した。輸出先はシンガポールで、22日から現地の日系スーパーで販売する予定。原発事故後に収穫された福島産米の輸出は初めて。輸出するのは福島県須賀川市で生産されたコシヒカリ300㌔。

モスフード 地産地消へ熊本産トマトバーガー

モスフード  地産地消へ熊本産トマトバーガー

 モスフードサービスは熊本県内のモスバーガー23店舗で、23、24の両日、県内農場の「モス・ファーム熊本」で収穫したトマトを用いた商品を販売する。モス・ファーム熊本は2013年4月に同社と現地生産者の共同出資で設立した農業法人で、八代市と山都町に2農場を所有、ハンバーガーに使用するトマトなどを生産している。

地元産の野菜を使って地産地消をアピールする。厚切りトマトをぜいたくに使った「ぜいたくモスバーガー」(消費税込み600円)や「ぜいたくモスチーズバーガー」(同660円)などを販売する。バーガーに使うのは大玉のLサイズトマトで、他は一般スーパーへ卸している。

地産地消へ正念場 宝酒造が米国で“日本酒”生産

地産地消へ正念場宝酒造が米国で“日本酒”生産

 米国で清酒を生産しているのはカリフォルニア州に拠点を構える米国宝酒造。もともと1977年に現地へ進出した酒造メーカーを宝酒造が82年に買収したもので、83年に「松竹梅」ブランドの清酒の現地生産を始めた。2009年から11年にかけて最新設備を導入し、現在の生産能力は原酒ベースで7500㌔㍑。アルコール度を調整した製品ベースでは9750㌔㍑程度。

 同社の販売先は全米50州のうち49州に上る。ただ、日本食レストラン向けが大半を占めているため、今後は日本食以外の食品流通などへの浸透度がカギとなる。日本酒の本格的な「地産地消」へまさに正念場だ。とはいえ、世界的な日本食ブームの定着によって、米(コメ)のワインであるSAKEのファンは着実に増えつつある。

九条ネギの出荷拡大 こと京都 能力7割増

九条ネギの出荷拡大  こと京都能力7割増

 九条ネギを生産販売する農業生産法人、こと京都(京都市)は年内にもネギの出荷能力を7割引き上げる。伏見区にある本社近くの出荷拠点を移転し、保管場所を広げて年1500㌧の供給体制を整える。消費者のブランド志向や首都圏での需要の伸びに対応して、販路を広げ2018年12月期の売上高を現在の倍の15億円とするのが目標だ。                  

地元の伝統野菜がメーン食材 長岡市「SUZUDELI」

地元の伝統野菜がメーン食材 長岡市「SUZUDELI」
 大都市圏はじめ地方都市でも大手レストランチェーンが市場を席けんする中、異彩を放つ店舗もある。地元の伝統野菜をメイン食材に据えた、新潟県長岡市のカフェレストラン「SUZUDELI(スズデリ)」がそれだ。信濃川沿いの川西エリアにあるショッピングモール「リバーサイド千秋」のレストラン街の一角にある。
 SUZUDELIの特徴は、昔から地元で愛されてきた伝統野菜「長岡野菜」をメイン食材として使うこと。長岡野菜には甘みの強い「大口レンコン」、蒸すとおいしい「巾着なす」などがある。ただ、味は抜群だが、色や形が不揃いでスーパーマーケットや青果店では売りにくく、生産者も年々減少している。そんな長岡野菜の魅力を地元の人に知ってほしい。それが出発点だった。
 SUZUDELIはイートインだけでなく、洋風の総菜(デリカ)をテークアウトでも販売するデリカテッセンと呼ばれる業態の店だ。店舗面積は33坪(100平方㍍)。主な客層は30~50代の女性で、客単価は平均して昼は1000円、夜は1500円とやや高めの価格設定となっている。それでいて1日に100~150人ほど来店し、ランチ中心の業態ながら、月商610万円に達している。