「和食材のニュース」カテゴリーアーカイブ

ニホンウナギの生態つかめ 環境調査開始

ニホンウナギの生態つかめ環境調査開始

 環境省は7月15日、神奈川県小田原市の酒匂(さかわ)川の支流でニホンウナギの生息環境の調査を開始し、報道陣に公開した。国際自然保護連合(IUCN)が6月に絶滅危惧種に指定したニホンウナギの河川での分布状況や生息に適した環境などを2年程度かけて調べ、保全策の指針をまとめる。

 同日の調査は、委託した北里大学の研究チームなどが川に入り、川底に潜むウナギに電気ショックを与え生きたまま浮かんできたところを網ですくい上げた。体長7㌢程度で生後1年くらいの「クロコ」と呼ぶ稚魚や、同40㌢程度で生後6~7年の「黄ウナギ」という成魚が計200匹採れた。現地での調査は10月ごろまで実施する予定。それぞれのウナギには個体を識別するICタグなどの目印を付けて再び川に戻す。

セブンイレブン向けコメ直接調達 木徳神糧

セブンイレブン向けコメ直接調達 木徳神糧

 コメ卸大手の木徳神糧は、おにぎりや弁当に適した新品種のコメを生産者から直接調達し、セブン-イレブン・ジャパン向けに全量供給する。需要が拡大している中食に適したコメを、全国農業協同組合連合会(全農)を通さずに、流通コストを抑えて提供する。セブンイレブンは2年後にも販売を始めて高級米として普及を図りたい考え。

 全農は一般的に7%の流通マージンを取る。全農を通さないことで収益力の改善にもつなげる。今回、木徳神糧は宇都宮大学が独自に開発した品種「ゆうだい21」をセブンイレブン向けに供給する。冷めても硬くならず、もちもちした食感と甘みがある。電子レンジで再加熱した後に食味の良さを再現できるという。

 栃木県の農家とゆうだい21の栽培契約を結び、セブンイレブンの取引業者が食材を共同購入するための組織「日本デリカフーズ協同組合」に販売する。今秋収穫の新米から10㌧規模で試験的に取り扱いを開始する。5年後に500㌧に増やす計画だ。約200軒の農家の参加を目指している。セブンイレブンのコメの年間使用量は18万㌧強。これまで木徳神糧はセブンイレブン向けに国産ブランド米などを納入してきた。

14年産加工用米2割値下げ 主食用の安値波及

14年産加工用米2割値下げ 主食用の安値波及

 全国農業協同組合連合会(全農)が販売する2014年産の加工用米価格は、前年に比べ2割の引き下げで決まった。13年産の主食用米の下げが波及した。日本酒や米菓、味噌の原料になる加工用米は値下がりに転じたとはいえ、大幅に値上がりする前の11年産より高い。したがって、清酒会社などは製品値下げには慎重だ。

 加工用米は収穫前の6月末までに産地と需要家が価格や数量を契約した上で出荷する。全農は14年産の販売価格を13年産に比べ2400円安い玄米60㌔当たり9600円とした。主食用や政府備蓄米の下げ幅を考慮した。一方、全農以外の地域流通で取引される加工用米の下げ幅は3割近くになった。14年産の地域流通の価格は7000円台を付けた例もあった

 

全農が第三セクターの農協事業に出資

全農が第三セクターの農協事業に出資

 全国農業協同組合連合会(JA全農)は、兵庫県南あわじ市と地元農協が7月末に設立する第三セクターに出資する。全農が単位農協の事業に出資するのは異例。地域を越えた農業振興や農産物の販路拡大などに直接関わる。農協改革が議論される中、単位農協への新たな支援手法を探るほか、影響力維持を狙う。

 JAあわじ島(南あわじ市)と市などが設立する「あわじ島まるごと(仮称)」の資本金約1億2000万円のうち8.3%強を全農が出資。この第三セクターは2015年春開業する大型直売所や、周辺で整備される食品加工施設、農業体験施設を運営。市場環境の変化に対応できる多品種栽培の推進など地域農業の競争力向上を主導する役割も担う。

グローカル・アイ 病院レシピを全国で配信

グローカル・アイ  病院レシピを全国で配信

 調理支援システムを手掛けるグローカル・アイ(大阪市)は国立病院の病院食レシピを配食業者などにインターネットで配信する。塩分や脂質の量だけでなく、味にも配慮したレシピを提供。生活習慣病の在宅患者や一般消費者が家庭で手軽に病院食を食べられるようにする。

 国立病院など全国164施設の管理栄養士らで構成する全国国立病院管理栄養士協議会と組み、11月に有料で始める。グローカル・アイは、業務用オーブンで簡単に調理できる国立循環器病研究センターの病院食レシピを配信している。この仕組みを生かし、配食業者や弁当店が地元の国立病院のレシピをもとに宅配したり店頭販売したりできるようにする。

ブラジルに農業支援 物流インフラの整備で

ブラジルに農業支援   物流インフラの整備で

 安倍晋三首相は今夏ブラジルを訪問し、ルセフ大統領との会談で農業関連のインフラ整備を支援する考えを表明する。官民で共同の協議会を立ち上げ、ブラジルが穀物の輸出を円滑に増やせるように、農産物の輸送路や港湾、鉄道などのインフラ整備を後押しする。日本が安定して食料を輸入できる環境を整える。首相は7月下旬から8月初旬にかけてブラジルやメキシコなど中南米を歴訪する。

 ブラジルは穀物大国で、日本は第5位の輸出先。トウモロコシや大豆の生産を増やしているが、港湾や道路、鉄道などの物流ルートの整備は不十分で、輸入する日本もリスクを抱えている。まず、官民の協議会で改善策を練る。

ローソンがサイトでカット野菜の産地情報公開

ローソンがサイトでカット野菜の産地情報公開

 ローソンは7月15日から店頭で販売するカット野菜の生産者や収穫時期などをホームページ上で閲覧できるサービスを始める。生産者の顔写真や野菜の特徴を伝える動画などを掲載し、トレーサビリティー(生産履歴の追跡)を進める。

 同社は女性や高齢者の来店増を狙って野菜の販売を強化。全国に契約農家や自社農場を持ち、各地域で生産した野菜をカット野菜の原材料として使用している。今回、まず東北や関東・甲信越などの4地域を対象に、生産農家の情報をホームページ上で配信する。

 

バナナの卸値 例年の3~4割高 比の少雨響く

バナナの卸値 例年の3~4割高 比の少雨響く

 輸入果実のバナナの卸値が上昇している。輸入商社から仲卸への販売価格は、標準的な取引単位の13㌔当たり1700円前後で、前月比1割弱上昇している。これは例年に比べて3~4割高の水準で、前年同期比2割高い。バナナは例年、モモやスイカなどが出回る時期に取引価格が下がるが、異例の値動きとなっている。

 日本のバナナの輸入量の9割以上はフィリピン産。産地で春以降、高温と水不足となったことが響いている。日本への6月の輸出量は前年同月に比べ20~30%減ったもようだ。地域によっては前年の収穫量から半減したとの指摘もあるほど。

トウモロコシの国際価格下落 米主産地好天で

トウモロコシの国際価格下落 米主産地好天で

 トウモロコシの国際価格が下落し、指標のシカゴ先物が2010年8月以来約4年ぶりに1ブッシェル4㌦を割った。米国の主要産地がいずれも珍しく好天に恵まれ、豊作見通しが強まっている。今秋の収穫分を反映する取引の12月渡しも値下がりが続いている。市場関係者は、今後天候悪化に見舞われなければ、引き続き弱含みの状況が続くとみている。

ニホンウナギ生息調査 3河川で2年間 環境省

ニホンウナギ生息調査 3河川で2年間 環境省

 環境省は7月15日から、国際自然保護連合(IUCN)が6月に絶滅危惧種に指定したニホンウナギの保護に役立てるため、神奈川県小田原市の酒匂川で生息状況を調査する。酒匂川を含めて3つの河川を2年程度かけて調べ、保全策の指針をまとめる。

   ニホンウナギ激減の要因として、河川の生息環境の悪化が指摘される一方、河川での詳しい生態は分かっていない。環境省は調査結果をもとに、河川改修時の保全指針をまとめ、絶滅を防ぐ取り組みにつなげる。