天橋立の内湾でシロザケの稚魚 自然繁殖の公算
京都府北部の日本三景・天橋立の内湾で今春、シロザケの稚魚が見つかった。放流はしておらず、自然繁殖している可能性が高いという。内湾に注ぐ野田川はかつてサケの産地として知られていたが、戦後は農業用の堰(せき)が増えて、繁殖できない環境になっていた。
ところが最近、堰が可動式になったことで復活したとみられる。新潟市の日本海区水産研究所は、野生魚の生態を知るうえで、貴重な発見として地元の府立海洋高校と共同研究に乗り出す。
輸入果実、天候不良で品薄 米国産柑橘類1~4割高
主要輸入果実の取引価格が軒並み前年同期より高値となっている。米国産柑橘(かんきつ)類の価格は、同国西海岸の港湾労使の対立収束後、下げに転じているものの、いぜん前年より高値が続いている。
生産地での干ばつの影響もある。フィリピン産バナナなど他の輸入果実も、農場労働者の賃上げの影響に見舞われている。為替の円安も取引価格を高くしている。
米国産柑橘類の卸価格は2~3月の高値からは下落したものの、前年同月比1割高の40個4000円となっている。カリフォルニア産レモンは前年同期比4割高の140個7000円、オレンジも同2割高の88個5700円となっており、引き続き品薄感が強い。
野菜 5月後半は平年並みに 農水省が卸価格見通し
農林水産省は5月1日、5月の野菜の卸価格の見通しを発表した。消費量の多い14品目についてで、5月前半は11品目が平年より2割以上高くなるが、5月後半は14品目すべてが平年並みに戻るとしている。月初は4月に日照不足だった影響が残るが、天候回復を受け、価格は落ち着くとみている。
ダイコン、キャベツ、ジャガイモ、タマネギなどは5月前半から生育が回復基調で推移し、後半には価格も平年並みになる見通し。ハクサイは東京・大田市場の卸価格(相対取引・中値)は現在、15㌔2000円前後と前年の同時期の3倍高となっているが。5月後半に出荷する分は生育が順調という。このため、出荷量・価格とも平年並みに回復する見込み。
キュウリやナスは5月前半も日照不足による生育遅れが続きそうだ、ただ、天候が順調に推移すれば、5月後半の出荷分には卸価格が平年並みに落ち着く見込みだ。
お茶で「おもてなし」ミラノ万博・日本館
イタリア・ミラノ国際博覧会(万博)の日本館が5月1日開館し、多数の来館者でにぎわった。日本は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された和食を世界に売り込む絶好の世界と捉え、発酵食品や一汁三菜などの食文化を、農林水産業の技術を紹介し、「おもてなし」の精神をアピールする。開館式典では日本の梅本和義駐イタリアや茶道裏千家(京都市)千宗室家元らがテープカット。日本館特別大使のハローキティが来館者を出迎えた。
日本館は参加国最大規模の敷地面積約4170平方㍍。館内では展示に触れながら、産地から食卓までの「食をめぐる旅」を体感できる。食卓をイメージした映像シアターでは「いただきます」「ごちそうさま」という、自然の恵みに感謝する日本人の心を伝える。多彩なメニューが並ぶレストランには長い行列ができた。
静岡・中根製茶 高級緑茶を輸出 16年にも欧米へ
中根製茶(静岡県掛川市)は、高級緑茶の輸出に乗り出す。このほど稼働した新工場で国際的な食品安全規格の適合認証を取得し、2016年にも欧米への輸出を始める。
世界的に日本の食文化に関心が高まり、緑茶の輸出額は増加している。深みのある味わいが特長の「掛川茶」の魅力を訴え、5年後に1億円の輸出売上高を目指す。欧米での小売価格は、100㌘当たり1000円程度を見込む。同社はこのほど輸出を視野に掛川市内に、延べ床面積約300平方㍍の新工場を建設し、操業を始めた。
国際規格「FSSC2200」に対応。茶葉を焙煎(ばいせん)する機械や、細かく砕く機械を備えた。茶葉の生産能力は最大で1日当たり2㌧。投資額は建物の建設費が約1億円、機械設備が約3000万円。