イコモスが25~26日,遺産登録候補の群馬・富岡を現地調査
文化庁は、国際記念物遺跡会議(イコモス)の調査員が9月25日から2日間の日程で、2014年の世界文化遺産登録を目指す「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)を現地調査すると発表した。イコモスは国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関。調査員は中国人の絹産業の専門家で、富岡製糸場などを訪れ、施設の保全状況などを確認する。現地調査を踏まえ、イコモスは来年5月上旬ごろ、世界遺産に登録すべきかを勧告する。ユネスコは勧告を受け、同年6月ごろに開く世界遺産委員会で登録の可否を決める見通しだ。
月別アーカイブ: 2013年10月
元寇の沈没船の部材 塩抜き10年 保存法を模索 長崎・鷹島
元寇の沈没船の部材 塩抜き10年 保存法を模索 長崎・鷹島
長崎県松浦市の鷹島埋蔵文化財センターに設置された大型水槽に巨大な木材が沈められている。2002年、同島沿岸の港湾工事に伴う発掘で海底から出土した元寇(げんこう、13世紀)の沈没船の部材だ。最大のもので長さ約4㍍超。隔壁板とみられる。水漬けにして10年以上。塩分を抜くためだが、樹脂含浸や凍結乾燥など保存処理に移ろうにも、これほど大きな遺物が入る装置がない事情もある。
発掘では約600点の木製品を引き揚げたが、保存処理を終えたのは3分の2にとどまる。どう処理すればよいか、まだ見定められない遺物が多いのが一因だ。鉄釘(くぎ)が打たれた木材は処理の前に塩分を抜かないと、変色やさびのおそれがある。だが、中心部まで塩分が除去できたか、非破壊で確かめる方法はまだない。また、船の部材にチークなど南洋材が多いが、国内で出土例がなかったため、保存技術は未確立だ。
織田作之助の代表作「夫婦善哉」の草稿や日記 遺品から発見
織田作之助の代表作「夫婦善哉」の草稿や日記 遺品から発見
大阪歴史博物館は9月13日、織田作之助(1913~47年)の代表作「夫婦善哉」の草稿や、「続夫婦善哉」の執筆時に書いた日記など約10点が新たに見つかったと発表した。今年生誕100年を迎える”無頼派”作家の創作過程が分かる貴重な資料だ。 生誕100周年の記念事業推進委員会が、遺品を保管していた織田の養女、織田禎子さん(千葉県船橋市在住)から入手した。「夫婦善哉」の鉛筆書きの草稿は9枚で、タイトルが「めおとぜんざい」と平仮名書きになっている。主人公も蝶子が「春枝」、柳吉が「兵吉」と異なり、春枝が中心に描かれている。41年の日記からは、同年6月10日から7月4日までほぼ毎日、「続夫婦善哉」の原稿を書いて作品を完成させたことが分かり、執筆年の特定につながるという。 草稿などは9月25日から10月18日まで、同博物館の「織田作之助と大大阪」展で展示される。