「歴史くらぶ」カテゴリーアーカイブ

大阪に早めの夏到来 6/30 第一弾「愛染まつり」始まる

今年は異例の短い梅雨で、早めの夏到来の大阪で6月30日、夏祭りの第一弾、恒例の愛染堂勝鬘院(所在地:大阪市天王寺区)の「愛染まつり」が始まった。
初日の同日は、折から30度を超える真夏日の中、「愛染娘」と呼ばれる、お揃いの浴衣姿の8人の女性が、提灯や造花などで飾り付けられた「宝恵かご」に乗り込み、担ぎ手たちとともに、汗だくになりながら愛染堂までのおよそ1kmを練り歩いた。道中、太鼓や鐘の音に合わせて「あいぜんさんじゃ、ほーえーかーご」などの威勢のいい掛け声を響かせ進み、愛染娘らは集まった見物客に愛嬌を振りまき、写真に収まっていた。
愛染まつりは、天神祭、住吉祭とともに、大阪の三大夏祭りの一つとして、例年は大阪に夏の訪れを告げる祭りとして親しまれている。

大津・近江神宮で「饗宴祭」1350年余前の宮廷料理を再現

滋賀県大津市の近江神宮で6月30日、1,350年余り前の飛鳥時代、天智天皇の「近江京」の御代の宮廷料理を再現し、奉納する毎年恒例の「饗宴祭(みあえまつり)」が行われた。同日は当時の都で食べられていたとされる「ふなずし」や「セタシジミ」、「ちまき餅」など、10品余りの料理や食材が用意され、地元の保育園の園児たちが神前に奉納した。
また、当時の料理人の技を披露する「庖丁式」が行われ、伝統的な宮中作法を受け継ぐ「清和四條流」の料理人がビワマスび手を触れず、包丁とさいばしを使って切り分け、訪れた人たちは厳かな儀式に見入っていた。

北大 白亜紀後期 海の主役はアンモナイトではなく「イカ」

北海道大学の伊庭靖弘准教授らのチームは6月26日付の科学誌サイエンスに、1億〜7,000万年前の白亜紀後期の海の主役は「イカ」だったとする研究成果を発表した。これまで白亜紀後期の海は、アンモナイトや魚が主役だと考えられてきた。しかし同チームによると、イカが殻や骨を持たないため、化石として見つかりにくかったためだという。
チームは岩石を100分の1ミリという薄さに削りながら撮影を繰り返し、内部の化石を小さなものまですべてデジタルで立体的に再現する技術を開発。北海道各地の白亜紀の化石から、イカの”くちばし”という硬い組織の化石を約260個特定した。大きさは平均で約4ミリだった。
見つかったくちばしの形からイカはおよそ40種に分類。年代の異なる岩石の観察から、イカは1億年前ごろ現われ、600万年ほどの間に急速に多様化した推定された。その結果、イカの個体数は、繁栄を誇ったアンモナイトを上回るほどいたとみられる。
イカの発達の歴史(変遷)についてチームは、イカは同じ頭足類のアンモナイトが持つような殻を捨てた代わりに、えさを取るのに有利な高い遊泳能力を獲得し、機敏に動き回るための知能を発達させたと考えられるとしている。

古代の小刀など大山古墳の新たな副葬品 国学院大学博物館

国學院大學博物館は6月19日、同館が2024年6月古美術商から入手した古代の刀子(とうす)と呼ばれる小刀と甲冑(かっちゅう)の破片が、仁徳天皇陵として管理されている大阪府堺市の大山古墳の副葬品であることが分かったとする調査結果を発表した。
刀子は長さ10.6cmのさやのついた小刀で、さやの中に鉄製とみられる刀身が残っており、さやはヒノキ材を銅板で覆ったうえで、金のメッキが施されていた。
入手した際、その包み紙に「明治5年9月に仁徳帝の古墳の石室から得られた」とする記述があったほか、当時現場で調査を行い、図面を作成した人物の押印があることなどから、同館は大山古墳の副葬品と判断したとしている。

20億年前の地層から採取の微生物は鉄さびで呼吸?東大

東京大学などの研究チームが南アフリカにある20億年前の地層から採取した岩石の詳細分析によると、岩の内部から原始的な微生物を採取。この微生物は岩石の中で鉄さびを利用して人間の呼吸と似た反応を起こし、エネルギーを得ている可能性が高いーーとの結果を発表した。これにより、「声明がどのように誕生し、生き延びられたのかを解明する手掛かりになる」としている。

北大など ティラノサウルス新種 モンゴル白亜紀の地層から

北海道大とカナダ・カルガリー大などの国際研究チームは6月12日付の英科学誌『ネイチャー』にモンゴルの白亜紀後期(約9,000万年前)の地層から、肉食恐竜ティラノサウルスの新種を発見したと発表した。
全長は約4mで、大型ティラノサウルス類の共通祖先にあたる。新種恐竜はモンゴル語で「王子の龍」という意味を持つ「カンクウルウ」と命名された。体重は500kg未満で、細身の体つきで、ティラノサウルスの幼体と似た特徴を持っている。

6/10「時の記念日」大津・近江神宮で恒例の”漏刻祭”神事

6月10日は「時の記念日」。1,300年以上前の飛鳥時代に、天智天皇が流れる水の量で時間を把握する「漏刻(ろうこく)」という水時計を、現在の滋賀県大津市に設置した日とされている。この故事にちなみ同日、ゆかりのある近江神宮で恒例の神事が行われた。
神事には時計の製造や販売などに携わるおよそ250人が参列。神前には腕時計の新製品17点が供えられ、舞楽が奉納され、業界の発展を祈願した。

足尾銅山記念館 一般公開前に地元住民に特別公開 日光市

栃木県日光市の足尾銅山の歴史を伝える「足尾銅山記念館」が完成し、一般公開を前に6月9日、地元住民に特別公開された。同記念館は、銅山を経営していた会社などがかつてあった銅山の事業所を復元する形で建てたもの。
建物は2階建てで、明治時代に銅の生産量が日本一となり、近代化を支えた銅山で使われていた道具や当時の様子を写した写真などが展示されている。また、村名主・田中正造が明治天皇に直訴しようとした、同銅山からの鉱毒によって被害が出たことを伝えるブースも設けられていて、同日訪れた40人余の住民らは展示を見ながら、銅山の”光と影”の歴史を振り返っていた。

ispace 月面着陸は失敗 減速不十分で月面に衝突の可能性

宇宙スタートアップのispace(アイスペース)は6月6日、月面着陸船「レジリエンス」の月面着陸は失敗したと発表した。6日未明、着陸船は月への到着に向け降下を始めたが、着陸目前で減速が不十分で、月面に衝突した可能性が高いという。
アイスペースは、アジアの民間企業として初となる月面着陸に挑んでいた。同社の月面着陸の挑戦は2023年4月に続き2回目だったが、今回も失敗に終わった。

奈良・唐招提寺で鑑真しのぶ「開山忌」和上坐像 特別公開

奈良市の世界遺産、唐招提寺で6月5、6の両日、同寺を開いた中国の名僧、鑑真をしのぶ法要「開山忌」が営まれ、国宝の「鑑真和上坐像」が特別公開されている。境内の御影堂で国宝の鑑真和上坐像を収めた厨子の扉が特別に開けられ、僧侶が御経を唱える中、茶道の家元がたてた茶が像に備えられた。
堂内は日本画家、東山魁夷が鑑真の故郷などを描いた、連なったふすま絵で囲まれた、さながら異空間の佇まい。そんな中、訪れた参拝者らは次々と焼香して像の前で静かに手を合わせていた。鑑真和上坐像などは7日まで公開されている。